「仕事は落ち着いてる?」
「はい!あとはファイルに入れるだけです!」
「なら半分手伝うよ」
「ありがとうございます!!」
もくもくと作業する守屋さん。
かっこい―…
「工藤さんってさ」
「はい?」
「彼氏いるの?」
「!!…いえ…」
「そっか。じゃぁ彼氏候補は?」
「好きな人はいます!」
「いいね。」
「え?」
「工藤さんに好かれる男性はいいな…って思っただけ」
それは、あなたですよ?
でも結婚もしてるなんて…本当にショックです。
「あたしみたいな…人には振り向いてはもらえません。その人結婚してるみたいだし…」
「ふーん。じゃぁ今フリーなんだ」
「はいー」
「ならさ、桐生なんてどう?」
「…え?」
「あいつ工藤さんにはなついてるからさ」
「……あ、あたしこの資料片付けてきますね!」
だめだ。
「工藤さん!」
「…はい」
「なんで泣いてるの?」
やめて。
聴きたくない。
あたしの好きな人は守屋さんなのに…
「好きな人は…守屋さんです。あたし守屋さんが前から好きなんです。だから…そんなこと言わないで……っ」
思わず告白してしまった。
あーあーもうだめだ。
立ち直れないよ。
「…ありがとう」
「知ってます。結婚されてるんですよね?だからあたしフェードアウトします」
「…結婚?」
「はい」
「してないよ!?」
「へ!!??」
「わかった。桐生か」
「はい」
「…あいつ、よけいなことを…」
「?守屋さー…」
ゆっくりと近づいてくる守屋さんは、あたしにキスをくれた。
一瞬、触れるだけのキス。
「!?」
「俺も、工藤さんが好きだよ」