ここでちょっとだけ、私が何故このような事態に陥っているかの説明をさせてほしい。
私はこう見えて、とある大手の家電開発会社の跡取り娘だ。
最近、会社の業績は芳しくなく、次期跡取りとして何かできないかと考えていたところ、天才開発者の噂を聞いた。
都会の片隅でひっそりと開発を続けているらしい彼は、画期的な技術でまったく新しい家電を作り上げることにかけては世界一だと、業界関係者が言っていた。
そこで彼をスカウトしようと、単身彼のラボを訪れたのだが……。
「僕には命をかけて開発し続けたい家電があるんです。あなたの会社に協力する代わりに、あなたも僕に協力してくれませんか?ちょうど助手が欲しかったんです」
私は否応なく頷いた。私に工学的な知識はないけれど、彼の言うことをよく聴いて一生懸命がんばろう!そう決意し、がっちり契約書も交わした。
そんな私に彼が――矢崎博士が放ったのは、とんでもない言葉だった。
「ありがとう!僕もがんばりますね……!世界一気持ちいいファッキングマシーンの開発!」
「ファ……?ファッキング、マシーン?えっと、すみません……それは、どういう……」
「聞いての通り、性的快感をもたらす道具ですが。それも画期的で独創的で……ちょっと激しめなやつを創りたいんです。何種類も、たくさん」
「……すみません、ちょっと理解が追いつかないです」
「大丈夫です。あなたは契約書のとおりに、試用してレポートしてくれたらいいので!」
「え、ええ!?」
そうして、私は博士の開発したマシーンを試作させられることになってしまったのだった。