ラブラブ

忙しい彼と合う日は…

シャワーを終えるとヨレヨレのジャージで牛乳をコップ一杯一気飲み。

精神的にも肉体的にもタフじゃないともたないと言われる病院勤務の看護職、世の男性は白衣の天使だなんだと幻想を抱いているようだけどこんな姿見られたら幻滅されそうね。

香苗かなは鼻の下に出来た白い牛乳髭を手の甲でぐいと拭った。

だけど、こんな私でも一応色めき立つ時もある。

三時間後には彼の約束が待ち構えているのだからフェイスパックに髪の手入れにと気合が入る。

相手は同じ病院の外科で働く医師。

私より8歳年上の29歳。

彼と付き合い始めた三年前から。

まだ学校を卒業したばかりで何もわからないナースのタマゴだった私に何かと気を使ってくれたのが緒方おがた先生だった。

それからなんとなく一緒に食事に行くようになって、今は休みの度に互いの家を行き来している。

休みが重なることなんて殆ど無いけど夜中なら時間は作れるからと深夜に会うことが多い。

しっかり化粧して身支度を整えると彼の家へと向かう。

彼に渡された合鍵で部屋に入って数分、あまり待たないうちに彼は帰ってきた。

「遅くなってごめん、待った?」

「ううん、今さっき来た所」

良かった、と言って笑う彼の斜め上にかかった時計は夜の1時を二十分程過ぎている。

彼は薬品の香りが染みたシャツのまま私を抱きしめた。

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