「帰ってこないよ」
私の頭をなでながら、まことが優しく言う。
「よっ」と私の頭を自身の膝の上にのせたまことは、私の顔をのぞき込んだ。
「気付かなかった?気を利かせてくれたんだよ、俺たちが連絡するまで戻ってこないよ」
「え……?」
「明日香さん、もしかして鈍感?俺たちが明日香さんのこといいなーって思ってたから、二人が出てってくれたんだよ」
「え、え?そうなの?」
「ははっ、明日香さんかわいいね」
そう言って、まことが私のおでこにそっと唇を落としてくる。
混乱して、状況を理解しようとする私の目の前に、まことのペニスが差し出された。
まことが自分で扱くと、それはすぐに力を取り戻し、さあどうぞとばかりに私の口元へと近づいてくる。
「はい、舐めて」
「え――っあっああっ……!」
ぐにゅ、と膣口に熱いモノが押しつけられた――と思った瞬間には猛った肉棒は再び肉壁をかけ分け、身体の中へと侵入した。
先ほどまでペニスによってたかめられていたソコは、抵抗することなくソレを飲み込み、
くいっと腰の角度を変えて奥を押し上げられ、私の身体は再び歓喜に震えた。
一気に快感が湧き上がり、身体を串刺すペニスに支配されてしまう。
喘ぐ私の口元に差し出されたペニスは、開いた唇へと勝手に侵入し、私もそれを口を開いて迎え入れた。
「むっんぐっ、ふ、んんっ、ぅっ……ううんっ……」
必死にしゃぶろうとするが、激しい腰の動きに翻弄されて、うまく舌を這わせることさえ出来ない。
一度絶頂した身体はひどく敏感で、肉棒が内壁を擦って前後に動くだけで、たまらなく感じてしまう。
根元まで差し込まれ、小刻みに奥を突かれると、腹に当たるクリトリスが刺激を拾って甘く震える。
しゃぶれなかったペニスが唇から抜けてしまうと、私はそれに手を伸ばした。
突き上げられる身体はその度に揺れるが、なんとか手で擦り、先端に舌を伸ばす。
とろとろとあふれる先走りを舌先ですくい、先端だけ口に含んでちゅう、と強く吸い上げた。
途端、オスの味が口の中に広がっていく。
一度射精したペニスはすぐには絶頂しないが、先端から少しだけ白濁を排出しながら震えている。
「んっ、ふうっあぁっあああんっ!はあっ、あっ、あ――っ!」
前後のピストン運動だけではなく角度を変えながら中を突かれ、おかしくなってしまいそうだった。
ペニスに擦りあげられる肉壁全体が敏感な肉芽にでもなってしまったかのように、たまらない快感に身体が激しく震えてしまう。
男のペニスにしがみつき、必死に口でしゃぶりながら喘ぐ姿は、まるで赤ん坊のようかもしれない。
ペニスの動きが次第に激しくなり、私は快感に溺れてしまった。息をするのすら忘れて、男の腰遣いに翻弄される。
ぱんっぱんっと突かれる度に、クリトリスとともに腹の深くを揺さぶられて、軽くイってしまう。
軽い絶頂が立て続けに訪れ、気持ちが良すぎてわけがわからない。
口に広がる男の白濁が脳まで官能に染め上げ、私の脚は男の腰へと巻き付いた。
自分で腰をこすりつけ、腹の深くをペニスの先端でぐりぐりと刺激する。
ビンビンに硬くなったクリトリスはそれだけで痙攣し、愛液で男の下腹部を汚しながら、きゅうきゅうとペニスをむさぼった。
「ああっ、はあ、ああ、ああぅっ……!」
気持ちがいい。
もうそれだけしか考えられないほどに、身体が愉悦でとろけている。
「イッてる、イク、あっああ、だめっ、イく、イクっ……!」
もう絶頂しているのかしていないのか、それすらもわからなかった。
一度絶頂したと思っても、またすぐにさらなる絶頂の渦に飲み込まれる。
腰がくねり、ペニスをぎゅうぎゅうにしごき上げ、またその刺激に身体が絶頂する。
「ひいっ!イイッ……!いい、ああっ、あ――っ!」
ペニスを握りしめ、私の身体は何度目かわからない絶頂に激しく痙攣する。
これ以上にないほどにペニスを強く締め付け――肉壁が精を絞り上げるようにうねりながら収縮した瞬間、身体にずっぷりと沈んでいたペニスも白濁を吐き出した。
びくんっ、びくんっ、と何度も小刻みに震え、先端から熱い飛沫を湧き上がらせる。
たまらない悦楽に目の前のペニスにしゃぶりつきながら、私の身体はシーツの上でくねっていた。
………
………
………
――で、どうだったの!?告白とかされた!?
ミカからのLINEに、私は苦笑した。
あの後二人が帰ってくる前に、部屋の換気をし、ベッドを整え、解散したのは早朝近くだった。
おそらく何をしていたかはバレていないだろうが――それからというもの、ミカから何度も二人との関係を聞かれ続けている。
――うーん、付き合ってはないんだけど……告白はまあ、うん……って感じかなあ……
そう返すと、またすぐにLINEが届く。
あの後二人からは連絡が来て、別々に会っている。告白もされたが、どうしても本気だとは思えない、というのが本当のところだ。
なんて返事をしようかと考えながらLINEを開くと――アツシからだった。
明日香さん、良かったら土曜日、映画でも見に行かない?
俺、本気だからね!
アツシからは、毎週のように誘いが来る。
実はまことからも同じような連絡が届いていて――
「困ったなあ……」
さて、一体どうしたらいいものか。
少し考えたが、どう返事をしようか思いつかなくて――私はそっとLINEの画面を閉じた。
ミカに次会うときに、いい報告が出来ればいいが……なんだかとても贅沢な悩みのようで、私は一人で笑った。
LINEの返事は夜にでもすればいい。
時計を見れば、昼休みももう終わりの時間だった。
私は携帯電話を鞄に滑り込ませ、デスクへと向かったのだった。