痴漢・レイプ

恥辱と快感

児嶋美玲(こじまみれい)は目を覚ますと、直ぐに顔を枕に埋めて、布団を深く被った。

昨日の出来事が、彼女の脳裏に鮮明な影を落とす。

布団の中で、ブルブルと震えていた。

昨日の出来事を誰かに話すべきだろうか?

お母さんかお父さんに話したら、どうなるだろう?

きっと守ってくれるに違いない。

でも、やっぱり怖いし、恥ずかしい。

なんで、なんで私がこんな目に
わないといけなかったの?

まさか、賢治(けんじ)君があんな事をするなんて…。

美玲の閉じられた目から、ゆっくりと、涙が溢れる。

その涙は、頬を伝って、枕を濡らした。
………

………
今日は木曜日だった。

しかし美玲は、布団から出られなかった。

目覚まし時計を手に取り、何時か見てみると、五時五十九分だった。

まもなく長針が十二を指して、時計は聞く耳を不快にする様な音を出した。

美玲はそれをいち早く止めた。

外で鳩が鳴いている。

三十分経って、美玲の母が美玲を起こしに部屋に入って来た。

「ちょっと美玲、何してるの?もう朝よ」

美玲は布団の中で、パッチリと目を開けて、母の優しい声をじっと聞いていた。

「ちょっと何してるの?今日学校でしょ?早く起きないとバスに間に合わないよ」

そう言って、美玲の母はベッドに歩み寄り、美玲の肩を揺すった。

「どうしたの、もしかして具合悪いの?」

美玲は布団をへだててもわかるように、大きく頭を動かして、うなずいた。

「あら、どこが痛いの?頭?お腹?」

「…頭」

「ありゃりゃ、今すぐ体温計持ってくるから、休んでなさい」

そう言って、美玲の母は慌てた様子で部屋を出た。

母が部屋を出てドアを閉めた事を確認すると、美玲は布団を足元に投げ出し、ベッドから脚を出した。

カーテンを開けた。

窓には、澄み切った夏の涼しい朝が広がっていた。

美玲は学校が終わって、そのまま賢治の家へ向った。

賢治というのは、高校二年生で、美玲は彼の家庭教師をしていた。

賢治の担当になったのは、今から半年程前の事で、英語と日本史を教えていた。

美玲は賢治の母に挨拶してから、家に上がり、賢治の居る部屋へ歩いた。

部屋に入ると、いつもの様にひとり机に向かって座っていた。

「先生、こんにちは」

彼は美玲が部屋に入って来たのに気が付いて、挨拶した。

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