恋のはじまり

わからせっくすは漫画だけの話だと思ってた

「榊さぁ、ベッドの上であんま騒ぐなって。ねじ伏せたくなるから」

「物騒極まりないですね?! 自分で言ったんでしょ、巨乳で、好き好き鬱陶しく言わなくて、束縛しない歳上の女が好きって!」

私の様子もお構いなしに、むにゅむにゅと揉むのをやめない先輩。

しかも顔を埋めてすんすんと匂いを嗅ぎ始めている。

「あー……嘘だわ、それ。あの場に『巨乳』も『歳上』もいなかっただろ。甘えられるの嫌いで束縛もすんなっていえば、よほどのバカじゃない限りベタベタしてこねぇだろうし」

「……私、遠からず傷ついたんですけど」

「はは、やっぱ榊俺のこと大好きじゃん」

「は?」

「俺の理想が自分と遠くて傷ついちゃったんでしょ? かっわいーなぁ、お前」

にやぁと、頬を三日月に釣り上げる悪い笑み。

目が黒々と深く輝き、その視線に充てられると、どうしようもなく心が震える。

「俺さぁ」

ひとつひとつ、強引に脱がされていく服。

自らも一糸纏わぬ姿になった先輩の、筋肉の筋に胸が跳ねた。

 

「榊の、隠しているつもりでも、俺のことが好きってわかるこの瞳がすげぇ好きなんだよね」

まぶたに

「あとさ、嫉妬すると眉が下がるだろ。唇も少し尖るの……すげぇ可愛い」

額、唇

「胸は……まぁこじんまりしてていいんじゃね? 手のひらに収まると『俺の』って感じする」

各所、いつくしむように落とされる優しいキス。

なけなしの抵抗も呆気なく、剥ぎ取られたブラがぽいっとされて……乳頭のキスは、そのまま口に含まれてしまった。

「あっ……」

ちゅって、優しく唇が触れただけなのに。

じんわりと感覚が鋭くなる乳首が、じんじんと疼いてしまい……

最後だけ、適当なフォローにしてるじゃん、なんて、軽口が叩けなくなる。

「あぁ、ん、うぅ……」

「へぇー……乳首よわよわかぁ、かわいいじゃん」

ちゅ、ちゅ、と可愛くついばみ、舌でころころと転がされる。

唾液たっぷりの舌で絡め取られる快感は、歯を食いしばって耐えても、鼻の抜けるような声が止まらなくて……。

ぢゅうーっ、ぢゅーっ!
ぢゅううっぢゅううううっ

キツく吸い上げられた瞬間、背筋が弓形になる。

「あぁっ!」

皮膚の薄い、敏感な部位を、舐められる気持ちよさなんて知らなかった。

ちろちろと快楽を焚き付けるような舌の動きや、しつこくねぶるように絡められるいやらしさ……

息で皮膚を撫でられるだけでも、甘い声が漏れてしまうのに。

ちゅうぅうっ
ぢゅっぢゅっぢゅうぅうっ!
ころころころころ

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