このことを話さなきゃいけない大事な友達が二人いる。
タケルでも、お母さんでも、きっと彼女らと同じ大学に行くんだろうと思っている。
だけどミカと晃司には話しておきたい。
この二人は昔からあたしたちと仲が良い友達。
いや、親友。
だから言いたい。
タケルがお昼休みに部活仲間と遊びに出て行くところを見計らって、屋上に三人で行く。
「香澄どうしたん?」
「珍しいじゃんここまで真顔なの」
「・・・ごめん。聞いて。あたし高校卒業したら、ここから離れて一人で就職するつもりだから」
「「・・・・・・・・・え!?」」
予想通りの反応あざーっす。
「なんで!?タケルちゃんと離れるんだよ!!??」
ミカはすかさずそういう。
あ、そっか。
「気づいてた?」
泣きそうなところをぐっとこらえてあたしは口にした。
「あたしがタケルが好きだってこと」
ここにて、、生まれて初めて本気で好きな人を好きとハッキリ言えた。
うれしい。
はず。
なのに、なんで涙が・・・・
「香澄。お前どうした。タケルとなんかあったか?」
「ないよ。ないから、出てくの」
「タケルちゃんは絶対反対するよ!」
「だから何も言わずに出ていく。内緒だよ。けどミカと晃司には知ってほしくって。お願いだから、笑顔で別れてほしい」
そう言って、泣いて笑うあたしはどれだけ滑稽なんだろうか。
「やだ!香澄はあたしらと一緒に大学行くの!!」
「ミカ・・・ごめん」
「納得いかねーな。俺らから離れるなよ」
「無理、なんだ」
そこで屋上のドアが開く音がした。
ドアを背中にしていたあたしは、誰かとみると見当たらない。
どうやら校舎に戻っていった様子。
「そんなにタケルが好きか」
晃司の問い。
ここであたしは・・・
「うん、タケルが、タケルだけが恋愛として大好きなんだよね」
「香澄ぃ」
「・・・晃司?」
「あ!?いや、わりい。とりあえず考え直せ。わかったな?」
「無理」
「・・・香澄、あたしは応援したいんだけど。タケルちゃんと香澄の仲」
「ありがとう。でもいいんだ。決めたことだから」
「だってさ」
晃司は少しだけ含み笑いして言った。
青ざめたあたしは振り返ると、タケルがいた。
「ふ・・・・」
終わったなーあたし。