川橋直美は忘れ物をした事に気が付いて、急いで引き返した。
もう既に、ひと気のなくなった校庭を抜けて学校に入り教室へと向かう。
高校二年生の直美。
中央階段を登って、右に折れた直ぐそこに教室があった。
廊下には、もう誰も居ない。
時計の針は18時をさしている。
今日、直美は本当はもっと早く帰るはずだった。
日直を担当していた同級生が体調を崩して休んだので、明日担当だった直美が代わりに日直をする事になり、こんなに遅くなってしまったのだった。
教室に近づくと照明の光りがドアの隙間からこぼれている。
一体誰だろう?
人見知りの直美は、急に緊張してしまい、なるべく足音が鳴らない様にそっと教室に近付いて中を覗いてみた。
教室には、人影が二人、ひとりが机に座り、もうひとりがその目の前に立っていた。
立っているのは、女教師の小倉先生だ。
小倉先生は、何だか神妙な面持で机に座っている誰かと話している。
よく見ると、小倉先生の目の前に居たのはクラスメイトの男子生徒、林涼太であった。
机の上には、スマホが置いてある。
直美は探偵になった様な気分になって、そっと耳をドアに近付けた。
「はあぁん…クチュ…んん…クチュ…んん、あん…」
こんなのが聴こえてくる。
上手く聴き取れない。
直美は眉間に皺を寄せて、教室から漏れて来る音に集中した。
すると、林が何か喋り出した。
「先生、これ、先生ですよね」
小倉先生は顔を真っ赤にして、困惑の表情を浮かべる。
「先生、どうなんですか?」
「う、うん…」
「それは認めるという事ですか」
小倉先生は頷いた。
「先生、もしこの事を誰にもバラされたくなかったら、僕の言う事を聞いてください」
林はそう言って、鞄から何かを取り出した。
厚みのある楕円の平面から、それぞれ端に、長く太いバナナの様に突出した棒とブラシの様な部分がある、赤色の道具であった。
林はそれを小倉先生に渡すと、何か指示した。
小倉先生は、その場でキョロキョロしてから、ズボンを脱ぎ出した。
直美は驚いて顔を赤らめた。
小倉先生はピンク色のパンツを履いていて、それも下ろして秘部を露わした。
直美は恥ずかしかったが、しかし決してそれから目を離さなかった。
心臓がドクドクと脈を打つ。
小倉先生は脚を出来るだけ開いて、先程の道具を股間にあてがった。
棒の様な部分を挿入して、ブラシの様な部分を陰毛の下辺りに押し当てた。
林は再び鞄から何かを取り出した。
それは小さなリモコンで、何か操作した時、小倉先生は腰を後に突き出し、両手を股間に当てた。
苦悶の表情を浮べて、林に何か訴えている。
林はそんな様子を見てニヤニヤ笑っていた。
直美は見ていられなくなって、忘れ物の事はすっかり忘れて、家に帰った。
もう外は真っ暗であった。