不倫・禁断の恋

仕事ができる憧れの先輩…

きっちりと紅い口紅で飾られた冴美の口から出るのは、淫らな嬌声きょうせいだけだった。

声が上がる度に背中が弓なりになり、酸素を求めてはあはあと犬のように荒い呼吸を繰り返す。

佐渡の腰が激しく抽挿を繰り返し、冴美は身体をのけぞらせた。

ピンと赤く勃起した乳首が突きだされるかのように胸が動き、つま先がきゅう、と丸まる。

両ひざがわななき、佐渡の身体の上で、冴美の身体がぶるぶると痙攣けいれんした。

絶頂はすでに目の前で、衝撃に準備しているかのように全身に力が入る。

冴美の腰を佐渡の手が強くつかみ、打ち付けるように腰を思い切り上に突き上げると、冴美の身体はまるで打ち上げられた魚のように力強く飛び跳ね、すぐに弓なりに反りかえる。

「あっ、あ―――っ!!」

強烈な快感が脳天まで貫き、冴美は絶頂の悲鳴を上げながら、佐渡の身体の上で全身を波打たせた。

目の前が真っ白になるほどの悦楽に、もう何も考えられない。

ストッキングに包まれたつま先がぎゅう、と強く丸まり、車のシーツに押し付けられる。

ペニスを咀嚼するかのような内壁の収縮が、気持ちよくてたまらない。男の肉棒がその締め付けに反応してビクンビクンと震えると、それすらも刺激に変換され、また目の前が白く染まる。

快感に喘ぎながら、冴美の腰は無意識に上下した。

クリトリスをこすりつけ、身体の奥深くをペニスで押し開かれ、とろけた絶頂の表情を佐渡に見せつける。

腰の奥で渦を巻く悦楽の波が、指の先まで広がって冴美の身体を痙攣させる。

男の精を搾り取ろうとするような内壁の動きに導かれ、佐渡も冴美の身体の深くで、息をつめながら吐精した。

勢いよく飛び出した精液が、薄いゴムに阻まれ、コンドームの先端へと溜まっていく。

冴美のカバンの中で携帯電話がピリリリリ、と音を上げはじめ、その音を聞きながら、二人は深い絶頂を味わった。

………

………

………

「はい、はい、承知いたしました。では、よろしくお願いいたします」

外回りから帰ってきた冴美のケータイからは、男の声が聞こえてくる。

得意先の佐渡の声だった。

次の打ち合わせのスケジュールを話しているようだ。

冴美のよく通る声が佐渡の言葉に返事をする。

「明日の14時ですね、準備して伺いますので、はい、期待していただけたらと思います、はい、車で伺います」

それは、二人だけの秘密の合図。

次の打ち合わせもまた、公園の駐車場で行われる。

「では、明日お会いできるのを楽しみにしております」

冴美の仕事ぶりに、後輩の女性はほう、とため息をつく。

憧れの先輩は、にこやかにほほ笑みながら電話を切っていた。

(早くあんなふうになりたいなあ……)

そんな風に思う後輩は、何も知らない。

………

………

………

明日の面談もまた、二人で行われる淫らな打ち合わせの内容を――。

- FIN -

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