――ぐちゅっ! ぢゅぽっぢゅぽっ!
もはや電車の走行する音に紛れて聞こえてしまうようになった水音。
(もっと奥、もっと太くて大きいものに、ここを苛められたい……!)
私がはっきり、それを望んでしまったときだ。
「……え」
車内アナウンスが私の下りる駅の名前を伝え、彼の手がするりと私から離れる。
そして、乱れた衣服を簡単に整えてくれた。
「あーあ、ここまでか」
彼は耳元で「残念」と呟いた。
――残念?
私はその言葉が脳内でぐるぐる駆け巡る。
そんな言葉で片付けられない程、私の身体は限界に達していた。
「お、お願い」
「ん、なに」
「続き、最後まで……して」
私は彼の服を掴み、懇願する。
それと同時に停車し、プラットホームに人が流れていく。
そして
「……いいよ。その言葉。待ってた」
彼が私の手を握り返す。
朝の通勤ラッシュで、その電車に揺られている以上、その後の予定がないわけないのに。
疼く全身を彼のそれで暴かれたい。
頭の中には、もうそれしかない。
互いの身体をぶつけ合うように改札を出て、最初に目についたラブホテルに入ったとき、部屋のドアを開けた瞬間から、もう我慢が利かなかった。
「あああああっ!」
玄関口でいきなり引きずり降ろされた下着。
靴も脱がないまま、私は壁に手をつき、後ろから貫かれる。
「くっ……! すげぇ、想像以上……っ! おねーさんのナカ、すげぇきもちいい……っ」
ずぷずぷとなんのためらいもなく挿入された太く熱いもの。
容赦なく
「あぁっ! あああっ! 奥、きもちいいよぉっ!」
「ははっ! でけぇ声! ずーっと声我慢してたから?」
「ああっん! だって、だってぇっ! きもちいいのぉっ!」
後ろから抱きすくめられ、遠慮なく奥へ奥へと何度も打ち付けられる。
全身が激しく乱暴に揺さぶられる度、最奥を苛められる快感になにもかもがどうでもよくなる。
「あっ! あぁっ! もっと、もっとぉっ!」
「大人しそうな顔して、誘うようなこと言った時から意外だったけど、くっ……! 激しくされるのが好きってどんだけエロいんだよっ!」
「だって、気持ちイイのぉっ! ずっと、ずっと我慢してたんだもんっ!」
――ぱちゅぱちゅっ! どちゅんっ!
肉棒が何度も殴り上げるように奥を暴き、そのたびに彼のものをきゅんきゅんと締め付けてしまう。
むき出しのそれはびくんびくんと脈打ち、隆起する逞しさに身体がまた嬉しく疼いた。
――ぢゅぷっ! ぐちゅっ! ぢゅぷぷぷっ!
控えようもない水音に脳の奥まで犯された気分になる。
ごりごりと押し上げるように肉壁が擦られ、突きあげられ、高められる快楽に眩暈がする。
「あぁっ! いくぅっ!」
すると、彼の手が腰から前へ延びる。そして
「ああああああっ!」
――きゅぅうううううっ!
奥をどちゅん! と突かれたのと同時に、ずっと放置されたままのクリトリスを強く
「くっ! 俺も……っ!」
――びくんっ! びくっびくっ!
びゅうっ! と激しい勢いで吐き出した精液が私の太ももを濡らす。
びゅくびゅくと降りかかる生暖かいそれに、ゴムをする余裕すらなかったことを思い出した。
「あ……」
振り向いた私に彼がゆっくりと近づき、唇が重なる。
それは、彼との初めてのキス。
そして再び、身体の最も深いところで交わり、蕩けるような快楽を貪る。
私達はまだ、互いの名前も知らない。