「っぷはーー!仕事終わりのビールはたまんねーな」
こいつ‥‥‥山田は相変わらずの飲みっぷり。
「まぁまぁ飲め」
「はいはい」
と、そこへ着信音が聞こえてきた。
「あ、‥‥三浦か??」
「え?」
三浦ちゃん、山田と電話交換してたんだ。
‥‥‥もう、なんだこの感情は。
とにかく飲むかな。
あたしはビールを一気飲みした。
「あ、おい、一気はやめろよ。しかもお前飲めないだろ」
あたしの思考回路は一気に崩れた。
「なによ」
「俺はカクテル勧めただけだ。ビールは酔いやすから」
あ、やばい。
くらくらしてきた。
「なに。三浦ちゃんからの電話何で出ないの?なんかやましいの?」
「はぁ?」
「あたしはお構いなく。勝手に二人きりで飲みにいけばよかったじゃない」
「おい酒田」
「あたしは‥‥‥っ‥‥‥ええーーーっん」
抑えきれずにあたしは泣きだす。
「お、おい、場所変えるぞ」
「ばぁ、ちゃん‥‥やだ‥‥‥」
あたしは記憶がなくなっていく。
次第に意識も薄れてしまって、気が付けばキレイな天井を見上げていた。
………
………
どこ‥‥‥?
「あ、目が覚めたか」
「‥‥?りゅう??」
「へ‥‥‥?ま、まだ酔っぱらってんのか」
「へへー。別に」
「お前が俺の下の名前呼ぶのは久しぶりだな」
「よし、責任とってあたしと結婚しなひゃい!!」
「は?」
あたしは頭では止めないといけないことをわかってる。
でも、この口が言うこと効かない。
「なんでまた結婚って」
「‥おばあちゃんが癌で、もう死んじゃうんだって。ははっ。あたしを育ててくれて、認めてくれたたった一人のおばあちゃんが‥‥‥」