――ねえ、
私の男友達となんだけど……
男友達の家で宅飲みって感じの、気楽なやつ♪
そんなLINEが来たのは、水曜日の夜のことだった。
土曜日の夜にその人の家で開催!
一人暮らしの狭いアパートだけど、居心地はいいよ(笑)との誘いは、最近退屈していた私には魅力的だった。
彼氏と別れてそろそろ一年が経ち、周りの友人たちはすでに結婚している。
気軽な合コン、というよりも真剣なパートナー探し、という年齢になってしまった私にとって、学生のような集まりはなかなか手に入らない貴重な機会だ。
――楽しそう!参加したい♪
と返事をすると、すぐにその話は進み、土曜日の夜に開催されるその緩い合コンに正式に参加することとなった。
夏も終わりかけの時期だが、まだまだ暑い。
本来ならばしっかりとめかし込んで行くところだが、宅飲みにバッチリ決めていくのもどうだろう……そう思うと悩んでしまい、最終的にはスキニーに少し胸元の開いた細身のトップス、という格好にした。
気合いが入りすぎているといった感じでもなく、しかしまあまあいい感じに見えるような、自分としてはちょうどいい格好だ。
夕暮れ時に駅で友人と落ち合い、そのまま合コンの開催される男性の家へと向かう。
友人のミカも私と同じように少しラフな格好でほっとした。
「今日の人たちは――……イケメンだし彼女もいないよ!まあでも、本気で相手を探してるかはわからないけど……」
そんなことを言うミカが、ちらりと私の表情をうかがってくる。
本気の合コンのつもりだったらどうしよう、とでも思っているのかもしれない。
「うん、丁度いいよ!こういう集まりってもう最近全然ないし……男友達とか出来たらラッキーかなーくらいで来ちゃった」
「そっか、じゃあぴったりだったかも!いい人たちだから!」
友人の友人なら、悪い人ではないだろう。
今日は楽しもう、そんなつもりで私はミカについて行った。
アパートのチャイムを押すと、男性が扉を開けて出迎えてくれた。
それが彼女の「男友達」だったようで、にこやかな二人の会話を聞きながら、私もにこりと微笑んだ。
人の良さそうな微笑みに、ラフだけどキレイなファッション。
年齢は私たちと同じくらいで、好印象だ。
部屋の中に案内されると、そこにはすでに他の男性2人がそろっていた。
「どうも、アツシです」
「まことです~!」
「はじめまして、あすかって言います♪」
もう一人女性がいて3対3なのかと思っていたが、どうやらメンバーは全員で5人らしい。
合コンというよりも本当に宅飲みといった集まりに、私はなんだかワクワクした。
他の二人の男性は、確かに友人が言うようにイケメンで、何故彼女がいないのかわからないような人たちだ。
「乾杯!」の合図で始まったその会はとても楽しく、お酒の力も入り、初対面だというのにとても盛り上がった。
少し広いがワンルームの部屋に大人が5人ひしめきあっていると、それだけでなんだか楽しい気分になってしまう。
人口密度かアルコールが原因なのか、クーラーがかかっているのに体温が上がる。
………
………
………
たくさん準備されていた缶ビールやチューハイはすでにほとんど全てが空になっていた。
「ねえ、お酒足りなくない?買ってくるよ!」
ミカが一人立ち上がると、ミカの男友達――さとしが「俺も」と立ち上がる。
私も行った方がいいかと思ったが、ミカが「じゃあ二人で行ってくるね!」というものだから、それに甘えて私と男性二人は部屋に残った。