ラブラブ

性欲の塊なんだから

あたしにこの仕事は向いている。

二けたキャリアがあって、全部サービス業。

だから、今回もうまくいく。

そう確信していた。

あの日が来るまでは。

…………

…………

…………

萌恵もえちゃーん、あがっていいよーー」

「はぁい!」

ここはあたしこと、清水萌恵(しみずもえ)の天職の、パフェ専門店。

シフト勤務でここでの実績は計り知れない。

どれだけの人を「あー今日来てよかった」と言わせてあげられるかどうか。

それだけにこだわっている。

こうして過ごしていると、実は昨日でちょうど2年目を迎えた。
………

………
あがっていいと言ってくれたのは総務課の鈴木さん。

昔からの知り合い。

中学・高校が一緒だった。

もともと鈴木ちゃんが先にここにいて、あたしは誘われて偶然にも入社しただけ。

けどそれだけ自負してる部分もあれば、ダメなところもある。

人間だれでもそうだよね。

そして人間だれしも持たなければならないのは、

最高のストレス解消法。

あたしには彼氏がいて、その彼氏と手をつなぐだけでストレス解消になるのだ。

 

「お疲れ様、今日も待っててくれてありがとう」

「隣の店なんだから気にすんな」

そう、うちのライバル店の店長があたしの彼氏。

最初は喧嘩の毎日で、いつだって競っていた。

しかしそのうちに二人で会うことが増えていくと、

感情は変わっていき、次第に相思相愛になった。

ちなみにこの話は………

彼氏こと、山本夢久(やまもとむく)と二人だけのもの。

 

秘密じゃないと互いになぁなぁな関係になって、

そのうち突如なくなってしまったり、失いそうな気がして。

夢久さんは公表したいと言ってくれるが、正直怖いんだよね。

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