マニアック

じらしプレイ

「あーー結婚したーーい」

あたしは酒田万葉さかたかずは。今年30歳になりました。

派遣で勤めている会社で出会いを求めていたんです。

早く、結婚相手を見つけなきゃ。

「おいこら酒田。なに盛ってんだ」

「はぁ?万年性欲お化けに言われたくはないよ」

あたしに茶々入れているのは、高校で同じクラスで、

職場では上司な山田龍太郎やまだりょうたろうくん。

彼は昔から何かにつけては「セックス」と口にしていたのを覚えている。

「えー山田さんって性欲すごいんですか?」

あたしと同期の三浦ちゃんが食いついてきた。

「気を付けてよ三浦ちゃん。こいつ本当にスケベでしょうがないから」

「てめぇ、それ以上言ったらどうなるかわかってんな‥‥‥?」

「でもでもぉ、あたし山田さんになら‥‥‥」

むっ。

「じゃぁあたしは定時だし帰ります」

「あ、待てよ酒田」

「何か?」

「今日愚痴聞いてやるから飲みに行くぞ」

冗談じゃない。

あたしは‥‥‥あたしは‥‥‥

「いいな、あたしもいいですか?」

「わりぃ。今日はちょっとこいつに話もあるし」

「‥‥嫌な予感しかない」

「黙れ。とりあえず着替えてくるから待っとけ」

「はいはい。ごめんね三浦ちゃん。うざいけど、多分本当に話があるみたい。」
………

………
三浦ちゃんは‥‥‥あいつのこと好きなのかなぁ。

だったら悪い気はする。正直。

あたしはあまり行く気ではない。

おばあちゃんのこともあるし、結婚相手探すこともあるし。

「おいこら百面相」

「ひゃ!!」

驚いた!!っとにこいつマジで焼き入れんぞ!!

「‥‥‥変な声出すな」

「はいはいすみませんねー」

「行くぞ」

こうして行く気がないあたしは流されていくのだった。

………

………

………

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