あたしはまだ、初体験したことがない。
学生時代は女子校しか通ってないから、
男性との接点がまるでなかった。
だから社会人デビューが待ち遠しくてたまらなかった。
そんなあたしは今年で社会人デビュー目指して早二年。
気が付けば明日で20歳になる。
毎日彼氏候補の電波をキャッチしようとチャンスをうかがうも、そう簡単にはなさそうだ。
「あーあ‥‥‥今日で10代最後なのになぁ」
勤め先の給湯室で、帰宅のロッカーでそうつぶやいた。
すると先輩の
「ねぇねぇ
「はい?」
「今日の夜空いてる?」
「は、はい!」
「良かったぁー。あたし夜に飲み会行くんだけど行かない?」
「あ、え、い、行きます!!」
やったー!!
………
………
「おい待て」
そこへ割って入ってきたのは男性上司の
「こら安藤。おまえまだパソコン資料が完成してないぞ」
「やだいけやん。ここは察して見逃して?」
「上司に向かっていけやんってなんだ」
「だって今日は朝比奈ちゃんの最後の10代なんだよ!?それを置いてけぼりにするの!!??」
「‥‥‥はぁ。飲み会には間に合うように俺も手伝うから、早く仕上げるぞ」
「あ、あたしも手伝います!」
「主役は黙ってろ」
池田さんはあたしにデコピンをする。
「やだーいけやん王子様~」
「気持ち悪い事言ってるとクビにするぞ」
そんながやがやとした二人は事務所に消えて行ってしまった。
………
………