学生もの

ある夏の日、保健室で…

「ねえ、ばれちゃうって……」

「大丈夫だよ、明日香あすかが声出さなければ……」

放課後、高校の保健室。

外からは部活中の学生の声が聞こえてくる、まだ17時にもなっていない時間だった。

少しだけ空いた窓からは時折風が吹いてきては、クリーム色のカーテンを揺らしている。

普段は常に数人の学生と養護教員がいるこの保健室だが、今日この日は明日香と海斗かいとの二人きりだった。

養護教員が出張で、放課後は閉められている予定だったのだ。

扉には「不在」の看板が掛けられており、鍵は開いているが一目で養護教諭はいないことがわかる。

そんな中、明日香の手を引いてこっそりと保健室に忍び込んだのは海斗だった。

廊下に誰もいないのを確認して、そっと扉を開く。

出張から帰ってくるのはそう遅い時間の予定ではないのだろう、電気などはついていないが、どの窓も換気のために少しだけ空いていた。

4つ並んだベッドは空で、布団が綺麗に整えられている。

「ねえ、本当にするつもり……?」

明日香が海斗の顔をちらりとうかがうと、当たり前だろとでもいうように海斗は笑ってみせた。

「明日香だって、乗り気なくせに」

「そ、れは……」

言い返せずに明日香はふっと視線をそらしたが、頬が少しだけ赤く染まっていた。

これでは、肯定しているようなものだ。

「素直になればいいのに」

「っ…!」

海斗の手が明日香の両頬をそっと包み、自分の方を向かせるように引き寄せた。

そのまま、額にキスが落ちてくる。

ふにゃりと柔らかい唇が額に触れ、それはそのまま、鼻筋、頬と下がり、唇と唇が重なった。

「ん……んっ」

海斗の唇が明日香の唇を食み、柔らかく刺激する。

小さく開いた明日香の唇を海斗の舌がなぞり、明日香は吐息を漏らした。

海斗のキスは、ダメなのだ。

すぐに理性が溶かされて、身体が熱くなってしまう。

そんな明日香の焦りなんて無視するかのように、海斗の舌が明日香の口内へと侵入してくる。

ぬるりと生暖かいそれが、明日香の舌を撫でると、身体中の肌がぞわりとあわ立った。

戸惑う明日香の舌が舐められ、軽く歯で食まれる。先端を吸われ、舌が絡められると、くちゅ、と粘り気のある水音がした。

キスだけで体温があがっていき、下腹がきゅんとうずいてしまう。

明日香の頬をつかんでいた海斗の手が今度は明日香の耳に触れ、やさしくくすぐるように指が動いた。

「はっ、んぁ……」

それだけで、身体は簡単に先を期待してその気になってしまう。

明日香の手が海斗の腰へ周り、身体を密着させるように抱き着いた。

下腹部もぴたりとくっつき、二人の息があがっていく。

いつの間にか激しく絡み合っていた舌がゆっくりと離れると、二人の間を唾液の糸が伝った。

海斗の手が、夏服のセーラー服のすそから入ってくる。

性急に動く掌が明日香の胸にたどり着き、下着の上から揉みしだかれる。

明日香の手も、同じように海斗の上半身をなまめかしく撫でた。

胸をもまれると、じわじわとした快感に脳がぼんやりとし始める。

外から聞こえる部活中の学生の声が二人の興奮を煽り、二つの身体が淫らに揺れる。

「あん…あっ」

甘い吐息が明日香の口からあふれた。

海斗の指が下着に入り込み、胸の頂をきゅっと摘まむ。

ぴんと起ちあがった乳首を指でこすられ、はじくように刺激されると、腹の奥が疼き、もっと触ってほしくなってしまう。

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