七原は自分がそう追い込んだくせに、よしよしと幼い子を慰めるように私を抱きしめる。
「女の子はさ、自分が淫乱だってなかなか認められないのがもどかしいよねぇ。男だったら『ヤリちん』って羨ましく思われたりもするのに」
「……い、淫乱じゃ……」
「いーの。友加里ちゃんは俺の前では素直に、自分のことさらけ出してよ。ハプバーでいろんな人のチンコと仲良くしまくっていたことも知っているんだから、なんにも隠さなくたっていいじゃん?――それに、これだって立派な仕事だよ」
七原は私の手を引き、ソファへ押し倒す。
その手には、見たこともない形のバイブが握られていた。
「セクシーランジェリーの写真、もっと撮りたかったんだけれど、予定変更。今日は大人の玩具のモニターに専念しようね。あ、サンプルの数は30個あるから、頑張ろうね」
有無を言わさないそれは、死刑宣告のようなものなのに。
「……っ!」
何度も何度も七原に調教され続けた私のアソコはじわっと潤んでしまう。
「あはっ!期待してるの、見え見え」
七原は意地悪く微笑み、手慣れた手つきでローションを手に取る。
「……それ、普通のやつ?」
訝しんで睨む。前回の媚薬入りローションはびりびりとした刺激がシャワーを浴びた後もしばらく続いてひどい目にあった。
「普通のだよ。今日は玩具中心でモニターしてほしいしね。服、全部脱いでね。それも商品なんだから。それとも買い取ってくれるの?」
――誰がこんな薄っぺらい布にお金なんか払うか!
苛立ちを表情に出さないようにして、私は下着を取り払う。
七原はまるで怪我をした患部に薬を塗るような手つきで私の乳首を優しく撫でた。
「んっ……!」
焦らすようにくるくると乳首を転がされると、嫌でも鼻に抜けるような声が出てしまう。
「勃っちゃったね。かわいい」
七原はこりこりと乳首を苛めながら、おわん型の吸盤のようなものを手に取る。
「まず一つ目ね。乳首専用ローター。普通のは友加里ちゃんはもう体験済みだと思うから、ちょっと変わった機能のものにしたよ」
まるで語尾に「感謝してね」と言わんばかりの口調にむかつき、私はそっぽを向く。
七原は吸盤のようなそれを右胸に装着すると、外れないように調整し、私に見せつけるようにスイッチを入れた。
「……ん……あっ、これぇ!」
ぶるぶると振動するもの、だとばかり思っていた。
確かにローターらしい刺激はあるが、それ以上に細かな突起物がブラシのように乳首をつんつんと刺し、そのまま筆のような動きでねっとりと擦られる――。
「舐め、られている、みたい……っ!」
これまでも舐めるような動きをする玩具を使ったことはあるけれど、全然違う。
筆の先端で優しく転がすように弄られていたのに、急にブラシのような少し硬いものでこしこしと擦られる。
「ひっ……!なに、急にっ!」
刺激の強弱だけではなく、複数の玩具を使われているような感覚になる。
「すごいよね。この乳首ローター。リモコン一つでアタッチメントを代えられるんだ。『舌』と『ブラシ』と……あぁ、友加里ちゃんはこれ好きそう」
カチ、と切り替わる音。
同時に、きゅううううっ!と激しく頂きを抓られた。
「ああああっ!ひぁっ!とれちゃうぅぅぅっ!」
「『指』だって。そっか、とれちゃうって錯覚しそうなくらい強いんだねぇ」
七原の呑気な声が遠くに聞こえる。
シリコンの二つの突起は私の乳首を容赦ない力で挟んだまま、すりすりと自在に動く。
その間、おわんの中はきつい吸引を繰り返すため、乳首を引っ張られているような感覚になる。
「あうっ!も、止めて、止めてよぉ!こっち、ばっかりぃ……っ!」
強すぎる刺激が痛みに感じたのはほんの少しの間だった。
七原がアタッチメントを『舌』に切り替えたようで、強い刺激を癒すようにぺろぺろと甘やかされる。
「ん……ふぅ……あ、急に、強いのから、弱いのになると……なんか……」
「何?ちゃんとレビューしてよ。友加里ちゃん喘いでばっかりなんだから」
「……強いのばっかりされるより、気持ちいいっていうか……。本当に舐めたり噛まれたりしているみたいで、愛されてるみたいに感じちゃう……かも」
「ふぅん。じゃあ次のやつね」
取り出したガラスカップの形状から、また乳首を苛められるのかと思ったが……七原はローターを解除しようとしない。
「これは吸引する多口径カップね。ポンプで吸引するときがすっごく気持ちいいらしいよ。楽しみだね」
七原は口径カップを私の左乳首にあてがい、ポンプを先端に構えた。
「まって、まさか、吸引って……!」
「そ。減圧して乳首を苛めちゃう。肥大化しちゃうけど、いいよね」
返事する間もなく、七原はポンプ引いた。