………
………
………
まなぶとの純愛に気付かされたあたし。
怖くて正直家には帰れない。
そんなあたしを受け入れてくれたのは、他の誰でもなく、まなぶだ。
まなぶと部屋で会話をしていると、あたしのスマホに着信があった。
見たところ、案の定、旦那だ。
まなぶは「騒ぎすぎたら逆効果」と教えられて出ていない。
さらにお義母さんからも着信とLINEとメールがすごかった。
あたしは自分で言うのもなんだが、お義母さんとその取り巻き対応が素晴らしくできている。
なのでお義母さん的には今、離婚だなんて発信できない内容だと心から思うだろう。
既読もせずにあたしは客観的にこの親子を見られている。
それはまなぶの力なんだなぁ。
いつだってまなぶは‥‥‥ううん、まなぶ一家は快く助けてくれる。
神様のような存在なんだよね。
なんであたし‥‥気づくことが遅すぎた。
「あー、まなぶー?サラダ油だけ買い出し行って来てー」
リビングであたしとまなぶがテレビを見ていると、
まなぶママが台所から呼ぶ声がした。
「はいはい。一緒に行くか?」
手を差し伸ばされる。
旦那なら逆だったしなぁ。
優しいね、まなぶは。
「あ、待った!さっちゃんはあたしの手伝いだから、さらわないでねー」
「っとに‥‥あのばばあ」
「誰がばばあ?ごはん食べたくない訳?」
「ひとりで行ってきます」
「わかれば良いのよ」
まなぶママには敵わないね。
あたしはもちろん、息子のまなぶもね(笑)
‥‥‥
‥‥‥