学生もの

冷たい月光

夏希はビクッと驚いて思わず固まってしまった。

耳を澄ましてみる。

ドアは開かない。

気のせいかと思うとまたノックされた。

「先生!二年機械科佐藤です、入ります」

ドアが開いた。

夏希は脱ぎ捨てた服を手繰り寄せて隠す事しか出来なかった。

佐藤はドアを開けて挨拶すると中に入って来た。

佐藤は近眼でこの日は何故かメガネをしていなかった。

夏希に近付いてはじめてその姿に唖然としてその場に立ち止まり、顔を赤らめた。

暫く沈黙が続いて、夏希は不図佐藤の股間部が膨らんでいる事に気が付いた。

夏希も顔を赤らめながら「ごめんなさい、ごめんなさい」と言って素早く着替えてしまってまた佐藤の方を見た。

「どうしたの?」

「あ、あの、この問題がわからなくて、、、」

こう言って緊張しながら手に持っていたプリントを差し出した。

それは夏希が課題として配った五問の文章問題の記されたプリントで、佐藤の言うわからない問題というのはこの内の最後の問題であった。

夏希はそれを受け取って、目の前で顔を赤くしてじっと自分の手元を見つめている佐藤に座るように言った。

佐藤は夏希の真向かいに座って俯向うつむいてしまった。

夏希は佐藤の端正な顔をジロジロと眺めていた。

彫りが深く口元が引き締まっており、額と鼻筋の影の中に切れ長の目を鋭く光らしていた。

「佐藤君は彼女とか居るのかな?」

こんな事を聞いた。

何故こんな質問をしたかは夏希自身にも全くわからなかった。

「いないです」佐藤はどもりながらも答えた。

夏希はプリントに目を移して問題文を読み、何か思わしげな微笑を浮かべながら解き方を教えた。

佐藤はなるべく夏希の顔を見ないようにして声だけを頼りに問題を理解しようとした。

しかし、プリントの上に何か書き込む時などに視界に入る夏希の白く綺麗な指が問題の理解を邪魔した。

座った状態で下腹部がふくれあがり痛みを感じた。

しかしそれの興奮が収まる気配は無かった。

むしろどんどん膨張していく一方であった。

夏希はそれを一瞥いちべつの内に察知して思わず微笑んだ。

「佐藤君、痛いの?」

佐藤は驚いた顔を更に真っ赤に染めて夏希を見た。

夏希は佐藤の挙動が可愛くて仕方が無かった。

先程までの男に抱かれたいというような情欲は皆無に等しく、今は只佐藤を優しく愛撫してやりたかった。

「佐藤君、約束してくれるなら先生が特別にフェラしてあげるよ」

すると佐藤は

「約束って何ですか?」

と聞いた。

期待に満ち溢れた目で夏希を見つめていた。

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