学生もの

好きだからさようなら

あたしは昔、両親に捨てられました。

そこからあたしの人生は終わりを迎えたのです。

ヒカリ一つ見つからない。

ただただ、真っ黒い道を歩き続けていた。

けど道が見えない、ふと足を止めると、そこにいた。

あたしにとってのヒカリが。

………

「いらっしゃいませー!」

今日は高校の文化祭だ。

あたしこと、高橋ひよりは仲の良い倉田くんと焼きそばを売っている。

最後の文化祭になるあたしたちは、ここぞとばかりに頑張って声を張っていた。

するとそこへ担任の安東圭あんどうけい先生がやってきた。

「なかなか人気だなー焼きそば」

ニコニコといつものように笑顔で様子を見に来てくれたみたい。

景気づけに、と焼きそばを二つ注文してくれた。

あたしは倉田くんから出来た焼きそばを受け取って、先生に渡そうと思った。

けど…

あたしはここで暴露します。

あたしはこの安東圭先生が恋愛として好きなのです。

なので下しか見れないし、ましてや手渡しで何かを渡すなんて…

難易度高すぎ!!!

「どうした高橋?早く渡さないと次の客が困んだろ」

「あー、うん、せん、せい、はいどうぞ…」

「おぅ、ありがとな高橋!」

「せんせーあざーっす!」

「頑張れよー!」

それからしばらくお客様が絶えなかった。

忙しさにいっぱいいっぱいになってたけどあたしはまだ熱い。

心が熱い。

だって先生と会話できたし、先生と会えたし、先生の声きけたし…

あたしこれってストーカー!?

やばーい。

気を付けよう。

「なーにぼさっとしてんだ?」

「倉田くん?」

「いいからはよ仕事やれや」

そう、悶々としている中にもお客様は並んで待っていた。

「ごごごめんなさーい」

あたしは必死に謝って接客を再開した。

………

………

………

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