恋のはじまり

誰もいないオフィスで…

しかし、まるでその気持ちを感じ取られたように――

優しく肩をもんでいた蒼士の手が、ゆっくりと亜希子の首筋をなぞるように動いた。

驚いて小さく声を上げた亜希子に気付かないように、蒼士の指が首筋の肌を撫でる。

そのまま耳に触れ、耳朶じださすられる――その感触に性的な意図を感じた途端、亜希子の腹の奥が甘くうずいた。

「亜希子先輩…」

耳元で、蒼士の低い声が鼓膜を揺らした。

僅かにかすれ、熱を感じる男性の声だった。

吐息が耳元に吹きかけられ、柔らかな蒼士の唇が耳朶に触れる――それが合図だったかのように、亜希子の身体は動いていた。

振り向き、蒼士の後頭部に手をまわし、引き寄せる。

間近で見た蒼士の瞳は劣情れつじょうの光が灯り、次の瞬間に、二人は深く口づけあっていた。

「は、んん……」

柔らかな唇がお互いのそれを食むように動き、形を変える。

そっと開かれた亜希子の唇の中に、蒼士の舌が侵入した。

優しく口内を愛撫するそれが亜希子の舌をくすぐり、応えるように亜希子も舌を絡めた。

ねっとりと絡み合い、互いにむさぼりあうキスに唾液があふれ、唇の端からこぼれて亜希子の顎を伝う。

蒼士の手は首筋をなぞりながら、亜希子のワイシャツのボタンを一つ外した。

開かれた胸元から、男の手が忍び込んでくる。

無意識に亜希子の胸は蒼士が触れやすいように動く。

下着に入ってきた男の指は、亜希子の胸の頂をくすぐり、乳房を優しく揉んだ。

じわ、とした快感に亜希子は甘い吐息を漏らし、そっと瞳を閉じた。

「は、ん…」

蒼士の指が触れるたびに、乳首がつんと硬くなる。

きゅっと指先でつままれはじかれると、たまらない快感に下腹部が熱くなる。

止まらないキスに呼吸が奪われ、頭がぼんやりとした。

いつの間にかシャツのボタンがまた一つ、二つと外され、胸元があらわにされる。

亜希子のブラジャーが上にずらされると、蒼士はあらわになった乳首に唇を寄せた。

「あ、あっ」

ぬるりと暖かい感触が、敏感なそこに触れると、亜希子の身体がびくりと小さく跳ねる。

唇で食まれ、舌に押しつぶされる。軽く歯を立てて刺激されると、その気持ちよさに肌が粟立った。

じんじんと下腹部が疼き、熱くなるのを感じる。

たまらず蒼士の頭に触れると、彼は顔を上げた。頬が紅潮し、唇が唾液で濡れている。

かわいい後輩の顔は既に無く、欲情した男の顔に、まるで射抜かれたように心臓が跳ねた。

「こっち、座って…」

蒼士の手が、椅子に腰かけたままだった亜希子の腰をつかみ、机に少し腰掛ける形にされる。

すぐに蒼士の身体が迫ってきて、机に後ろ手をついて亜希子は身体を支えた。

ワイシャツのボタンを下まで外され、亜希子の白い腹がさらされる。

蒼士の手が肌をなぞりながら下に動き、タイトスカートの上から腰をつかんだ。

「せんぱい…」

息を乱した蒼士の下腹部はすでに硬くなり、スーツを押し上げて形を主張している。

それが亜希子の太ももへと押し付けられた。

熱くて硬いそれが太ももに擦れると、じわりと秘部が濡れるのを感じる。

はやくそれが欲しくて、腰が無意識に揺れてしまう。

そっと手を伸ばし彼の性器へと触れると、彼は小さく吐息を漏らした。

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