「菜摘!何してるんだ!」
「違うのあなた」
夫は二人の方に駆けて行き、直樹と菜摘の顔を拳で殴りつけた。
二人は揃ってソファから落ちて、大きな音を立てた。
菜摘の夫は下半身丸出しで床に横たわる直樹を起こして、物凄い形相で睨みつけて
「お前は誰だ!ああ?!なんでお前みたいなやつが俺の妻とこんなことしてるんだ!」
直樹はその気迫に只黙って目を見るしか出来なかった。
二人の足元で菜摘が横たわって口論を見ていた。
直樹は再び殴られた。
そして両手を縛られて立てない菜摘を引っ張って起こして、同じように殴りつけた。
直樹はスッカリ気圧されて萎えたペニスを惨めにぶら下げたまま、ボーッと殴られて泣いている菜摘を見ていた。
その態度が気に食わないのか、夫はまた彼を立たせて殴りかかった。
しかしそれを直樹が何とか防いだ。
そして、
「俺は只この女に誘われて来たんだよ!まさか結婚してるなんて知らなかったんだよ」
「ああ!?嘘つけ!!知ってるんだぞ!!お前らが俺に隠れて関係を持っていたことを!!!」
二人は睨み合った。
「全く、情けねぇよ!!俺の妻がこんな小せえチンコで喜んでるのが!!こんなみすぼらしい男と不倫してるなんて」
涙で目が真っ赤になった菜摘は、鼻をすすって、そう言った夫を見た。
菜摘は腹の底で、「あなたが言わないでよ」と呟いた。
直樹はニヤッと笑った。
「何がおかしいんだよ、え?!!!何がおかしくって笑ってんだ!!!おい、お前!!!」
菜摘の夫は右手を振り上げた。
しかし直樹はまたもやそれを押さえて、そして「俺の話を聞いてくれ」という風にジェスチャーした。
「俺は聞いてるんだぜ。ああ、そうだよ、俺はお前の可愛い奥さんと関係を持ってたよ、何回も何回も一緒に飯食ったし、何回も何回もセックスしたよ」
菜摘の夫は手に握りこぶしを作ってニヤニヤ笑いながら喋り出した直樹を睨みつけた。
直樹は続けた。
「只なんでお前のその可愛い奥さんがこんな俺とセックスをしたと思う?そりゃあお前のせいだろ?正確に言えば、その、使えねぇ粗チンだぜ」
そう言って直樹は菜摘の夫の股間を指差した。
菜摘の夫は目を大きく見開き、白目を真っ赤に染めて、睨みつけながら、しかし図星を付かれて、何も言えなかった。
そうだ、俺のペニスは勃たない、でも、俺は菜摘のことを愛してるんだよ…
菜摘はボンヤリと自分の夫の、何も言い返せずに震えている背中を見つめていた。
何だか可哀想に感じた。
菜摘は立ち上がって何か慰めの言葉でも一つか二つ言ってやりたかった。
菜摘が何とか膝をついて腰を上げようとした瞬間、菜摘の夫は、急にズボンとパンツを脱いだ。
力なく垂れ下がった、それでも長くて太いペニスが露わになった。
菜摘の夫は今から立ち上がろうとしている菜摘の体をソファに押し倒して、キスをした。
何が何だかよくわからなかった。
夫は舌を菜摘の口に入れ込み、白く綺麗な前歯や健康な歯茎を舐め上げる。
そして捲れたブラジャーで窮屈に見える乳房を揉んで、舐めた。
無闇に力強く乳房を掴んで揉みしだく。
菜摘は只痛かっただけだったが、それでも何も言えなかった。
菜摘の夫は顔を上げると、しばらくじっと菜摘の顔を見つめて、何か決意した表情を作ると、いきなりビンタを食らわした。