恋のはじまり

仕組まれた同窓会…

「やっぱり!?ちょ、ちょっとちょっと、これはマズいんじゃないかなぁ」

「ちなみに、よく漫画やドラマで見るみたいな、手近な場所がココしかなくてとか、先生のこと重くてココまでしか運べなかったとか、そういうんじゃないので!安心して下さい」

「そっかぁ……って、どこにも安心できる要素がないっ!」

「幹事を引き受けたときから、このシチュエーション狙ってました。計画通りにいって良かったです!先生、褒めて下さい」

「うんうん、計画と実行は大事だよね。よ、よーし、花丸あげるから、とりあえず先生の上からどこうか」

「嫌ですけど。幹事頑張ったご褒美なんですから。先生、まだお酒残ってて力入らないでしょ?大人しく私に抱かれてくださいね!」

「ンぶふっ」

かわしようのない単語を突きつけられた衝撃からか、先生は盛大にむせた。

冷や汗をだらだら掻きつつ、誤魔化すように、現実を直視することを拒むように、えへらと笑う先生に、私はご機嫌な笑顔を返す。

「在学時からずーっと好きだったんです。この千載一遇の好機、絶対逃しませんよ」

「ええ?ぜ、全然知らなかったなぁ?」

「嘘つき」

私の好意になんて、先生はとっくに気づいていたはずだ。

でもそういうところが、ちゃんと教師で、真面目で、ますます好ましく思える。

「先って着痩せするタイプ?がんばって両脚開かないと、腰跨げないんですけど」

「あ、あはは、多少は鍛えてるからね!脚も痛くなっちゃうだろうし、ちょっと一回降りてもらえるかなぁ」

「嫌ですけど」

私は先生の腰骨をきゅっと太腿で挟み込んで、先生の下腹にお尻をぺとんとくっつけた。

お酒を飲んだからか、もともとなのか、私より高い先生の体温が、下着越しにじんわりと染みてくる。

「はぁ、先生……私なんだか興奮してきちゃいました」

「ちょ、待……っ!水谷、洒落になんないからさっ」

「もういい加減観念して下さいよ、先生」

ここで恥じらって機会を逃すなんて、ずっと片想いしてきた自分からすればあり得ないことだ。

私は恥じらいもつつし
みも捨て去って、シャツと下着を一息に脱いで上半身を露出させた。

この日のために磨いてきたお肌は、自分史上最高のツヤスベ感である。

無意識なのか、先生がごくりと唾を飲んだのが分かった。

「ね、先生。先生がほしい……」

「だ、だめだよ、だめだって」

お酒のせいで力が入らないのか、それとも別の理由でなのか、私には分からない。

けれど、赤くなった先生の顔は、そのどちらでもあるようと答えているような気がした。

「でも先生のここは、満更でもなさそうですけど」

「うっ、み、水谷、お尻を擦り付けるのはやめなさい」

「嫌ですけど」

本日三回目の「嫌ですけど」に、先生は困り果てたように眉を八の字にする。

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