「では先輩がたに2つあります」
「あぁ?」
「まず指紋について。どうぞ僕の指紋は採取しても問題ありません。なんなら唾液も提出しましょうか?先ほど加えてたって言ってましたよね?つまり唾液も残るはずですよ。それから2つは、僕、ライター持ってませんよ。今持ってるのは先輩方ではないでしょうか?」
あーあ、言ってしまった。
でもまぁ、今難癖付けてきた先輩方は青ざめている。
ばーか。
「よし、お前ら3人は退学な~」
「なんで信じるんだよ!!」
「はいはいうるさいよー。まずは親御さんに連絡~~」
うるさい連中と教師は去って行った。
僕はまた勉強を再開しようと、バッグから一式を取り出した。
………
………
………
いつの間にか寝落ちしていた。
やばい。あたりは真っ暗だ。
慌ててバッグに荷物を詰めていれば、急遽ライトが僕を照らした。
「うわ!」
「誰だ!!」
あ、
「さっきの‥‥」
「まだいたのか??」
さっきの教師だ。
この教師、絶対に‥‥‥。
「頭いいですよね、先生は」
「あ?」
「僕に全部言わせたのは先生です。本当はわかってて、退学にさせられる状況を待ってたみたいな」
「‥‥‥バレたか」
「そういうの、
「へーへー」
「じゃ、僕帰りますので」
「送ってってやるよ。待ってな」
僕はなんだかだまされた感覚になる。
なんだあの教師は‥‥‥。
疑問を持ちつつ校門前で待っていると、jeepの車が来た。
ライトをつけて消して合図する。
めんどいが‥‥来るまでならラッキーだ。
僕はなんだか気が引けて、車の後部席に乗り込む。
前でいいだろ、とでもいうかと思いきやそんなそぶりもない。
車は走っていたのだが、ガソリンが持たなさそうなので急遽画素スタへ。
僕は一人、ただただ待っていたんだ。
すると教師は手早くすませて車に戻ってくる。
「悪いな。親御さんに電話とかは?」
「いりません」
「家庭荒れてんなぁ」
「はい」