「大丈夫大丈夫!あたしの護衛にアンタを連れて行くだけだから」
「‥‥‥!!!????」
なんで!?
え?え?
護衛!!!???
「お‥「じゃ、二分後に車で迎えに行くから!ばいばーい!!」」
ピッとスマートフォンを切った。
「お姉さん!?護衛ってなに!!??」
「あらら、混乱してるわ」
「しますよ!!」
………
………
こうしていると亮太が家から荷物をもっていそいそと車に向かってきた。
そして後ろを指さされてドアを開くと、驚いているあたしがいるのだ。
「え!?
薫はあたしの名前。
「えーっと‥‥‥」
「はいはい亮太、早く乗らないとおねしょ記録を薫ちゃんに公開するよ?」
「はい乗ります!!!」
そんなに嫌なのかな‥‥‥
「気にしないでね?こいつ‥‥大好きな奥さんには言えない過去があるのよ!」
「いやそこまで言うなバカ姉貴!!」
「‥‥‥今、なんて?」
その一言で、静まり返る車内だ。
‥‥‥
‥‥‥
ホテルにはあたしと美月さんが同じ部屋だと聞いている。
そして荷物を運んでいる間にあたしは、あたしの名義で予約を入れていたので手続きをしていた。
「三人で予約していました、
「ようこそいらっしゃいました、酒井様。‥‥‥失礼ですがお二人では‥‥‥?」
「へ???」
慌てて振り向いて、亮太がいる玄関まで走った。
「?おい、大丈夫か?とろいんだから歩け」
「黙って!!お姉さんは!!??」
「ん?姉貴は車を停めてくるって」
「お姉さんのだけ予約がないの!!」
「はぁ!!??」
「電話‥‥‥あ、充電切れてる‥‥‥」
肩を落としたあたしに、亮太は背中を叩いた。
思ったより笑顔の旦那を見るのは、久しぶりな気がする。