恋のはじまり

合コンで見つけたキセキ

なんだかワクワクしてきた。

そうだよ、別に男性なんてアイツ一人じゃないし、

なにより合コンって素敵な展開じゃない!!

係長に感謝した。

本気で今まで勘違いしていてすみません!!

「まったかしら?」

ものすごいベッピンさん!!!

「係長、イメージ変わりますね」

「オンとオフはしっかりと、ね。芽衣めいちゃん。あたしはひとみだよ」

「かかかかか係長を名前呼びなんてお恐れ!!」

「馬鹿にしてんのか。いいから」

「できません!!」

「敬語辞めたら?同僚でしょ?芽衣ちゃん」

「えー……」

「わかった。じゃぁ住川すみかわで」

「それなら………うん、ありがとう住川ちゃん!!」
………

………
かち……住川ちゃんの運転する車に乗って、あたしたちは合コン会場の飲み屋に向かった。

車の中ではどのようにして男性を落とせるか、

いかに自分を可愛くみせるか、

その技術を叩き込まれた。

そして頭にしわを作りなさいと言われた。

つまり、女性は周囲に可愛く思われて仕方ないんだから、

それをいかに活かせることができるかが勝負らしい。

住川ちゃんの男性論ってすごく奥深い。

そうしている間に会場の飲み屋に合流。

胸を張ってあたしは参戦した。

…………

…………

合コンもいってみれば楽しいものだ。

かっこいい目の保養にもなるような男性を、

ここまでそろえられる住川ちゃんがすごいな。

モデルとか一般俳優とか…

でもその中でも合コンに興味がないおとなしい男性がいて、

その人が気になる。

前髪が長くてわりと細くて、どんよりしている。

よく見えない。

ただわかるのは手がきれいということ。

そこを聞きたくてあたしは勇気をもって話しかけてみた。

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