私達の初めての夜

「この、挿れるところを、拡げて……おくの」

「なるほど……こういうこと？」

文也はそう言うと、骨ばった長い指で私の下腹を撫でた。

つつ、と淫処に向かって彼の指先が滑り、それだけで肚（はら）の奥がきゅんとする。

「で、でもっ、今日は私が……」

「俺も夏美に触れたい。だから、どうやったら気持ちいいのか教えて」

「……っ、わ、わか、った」

文也の指先が恥裂を割り、秘孔を探る。

小さい頃から一緒にいた文也に、こんないやらしいことをされているのだと思うと、

次々と淫液が滲み出てしまう。

「どんどん濡れてくるね、可愛い」

「や、やだ！言わないで……っ」

羞恥に潤む瞳で睨んで、彼の口を交差させた両掌で封じる。

文也は双眸（そうぼう）を興奮したように眇（すが）めると、私の掌をべろりと舐めた。

「ひゃっ！？」

慌てて手を引くと、彼は欲情しきった男の顔をして、こちらを見下ろしてきた。

促すように私の唇を撫でる彼の手は、じっとりと湿っている。

いつもはさらりと涼しげな掌をしているのに、それだけこの行為に夢中になっている証拠だ。

「……っ、そんな顔、しないで……」

「そんな顔、って？」

「ぎらぎらしてる……」

「嫌い？」

「き、嫌いじゃ……ない。ん、んんっ」

くぷん、と文也の中指が泥濘（でいねい）に潜る。

丁寧に奥まで沈められて、甘い声が零れた。

「ゃ、あ！奥まで入っちゃ……っ」

「どこが気持ちいい？この手前のザラザラしたところ？それとももっと奥？」

文也は長い指で、私の秘処をちゅくちゅくと弄りながら、そう訊ねてくる。

ふっ、ふっ、と鋭く息を吐きながら、彼は私の耳朶に唇をくっつけた。

耳孔に舌尖を突っ込んで、にちゃにちゃと舐め回す。

「ひっ！や、やぁッ……ぞくぞくしすぎてっ、やだぁ」

両腕で文也を引き剥がそうともがくが、彼は身動ぎすらせずに舌を動かし続ける。

細身だがしっかりと筋肉のついた身体は、私などの力ではびくともしない。

「ぁ、あ！ゃだ、やッ」

「教えてよ、ねぇ、夏美」

ずにゅう、と二本目の指が侵入してくる。

ざらつく中腹あたりを掻くようにされ、びくびくと腰が跳ね上がった。

「ああ、やっぱり此処が悦（い）
いの？でも、ほら……奥もお好きみたいだ」

「あ、ぁぅ！そこ、ゃ、だめ……ぇ」

文也は私の耳朶を甘噛しながら、奥と中腹を同時に捏ねた。

私の蜜孔ははしたなく涎を垂らして喜んでしまう。