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こうしてわたくしは伯爵の元へと、お母様と美琴と向かっております。
お館に入ると美形の伯爵様レベルの男性と、お家に力があるお嬢様たちがいらっしゃるみたいで、にぎやか。
車から降りればすぐに美琴は堂々と正面から入っていった。
後を追って歩いていれば、殿方から声をかけられた。
「君は素敵な雰囲気の持ち主ですね。僕と一緒にお話ししませんか?」
「‥‥‥」
どうお返事をすればよいか。
悩んでいれば美琴が入ってきました。
「お姉さまったら怖いのですか?ごめんなさい伯爵さま。お姉さまってば自分の身竹に合わないと口を開かない冷酷なお人なんです。なので良かったら私と‥‥‥」
………
………
周りからは笑い声がした。
どうやらわたくしの印象をハッキリくっきりと痕が残るように釘差ししております。
面倒なわたくしは彼女らを避けて外に出ましょう。
「このまま‥時が過ぎるのを待ちましょう。大丈夫。わたくしは一人で待てる女性ですもの」
外にあるバルコニーの階段に座って、呪文と唱えましょう。
そして目をつぶればそこはわたくしがまだ、美琴と知り合う前のお家を思い出せる。
お父さまも元気で、お母さまもわたくしと手をつないでくださっていた、あの幸せな日々を。
「‥‥‥?」
そうして気づけばわたくしは、目からしずくを零しておりました。
「やだ、なんで‥‥わたくしは‥‥‥」
「お疲れなのでしょう」
はた、といつの間にかわたくしの前に侯爵さまがいらっしゃいます。
あらら?
………
………
「あ、いえ、申し訳ございません」
わたくしは去ろうと立ち上がりましたが、侯爵さまはわたくしの手をつかんで離しません。
観念して隣に座りこみました。
「珍しいね。君みたいなお嬢様がこんなバルコニーにいるとは」
「‥‥‥わたくしはあまり‥‥‥」
「どうしたの?話してみなよ。」
「‥‥‥」
わたくしは‥‥‥
「君の‥君自身の意見を知りたいな」
話しても、よろしいのでしょうか‥‥‥。なら‥‥‥。