マニアック

本屋のトイレで。

男の小刻みな突き上げが、子宮の入口をトントンとノックする。

それは繰り返される度に波のように身体の先端まで広がり、数を重ねる度に快感が増えていく。

赤黒いペニスがまつりの足の間からぬっぬっと現れては、すぐにまたまつりのナカへと沈み込む。

溢れた愛液と男の先走り液でソコはぐちゃぐちゃで、動くたびに糸を引いていた。

二人の体液が混ざり合い、泡がたってしまいそうな程に男の突き上げが激しくなっていく。

男の突き上げと同時にまつりの身体も上下に跳ね、ただ与えられる快感に夢中になっていた。

「あー、いく、いくううっ!」

腹の奥を突き上げられ続け、身体が絶頂へと昇り詰める。

内壁がぎゅうう、と収縮し、まつりの身体は男のペニスを咥えて搾り上げる。

それがまた強くペニスの形を感じることになり、快感となって襲ってくる。

内ももに力が入り、ペニスを離したくないと言うように腰が男に擦りつけられ――

男の腰が一層強く持ち上がり、腹の深い部分にペニスが突き立てられ――

まつりは、淫らな声をあげながら絶頂へと飲み込まれた。

「あ、ううーっ!!」

腹の奥から広がるうねりが、一気にまつりの身体をどろどろに溶かしてしまう。

たまらない快感に身体が波打ち、上半身が丸まった。

逃し切れない快感をそのまま受け取り、全身がびくんっびくんっと震えている。

男の手が胸を揉みながら、腰がさらにゆるゆると動かされると、

「ひいいっ、いっああっ!」

すすり泣くような声をあげながら、まつりの身体はさらに深い絶頂へとまた持ち上がる。

ペニスが震え、熱いしぶきを迸らせるのを感じながら、まつりは法悦ほうえつにとろけ、

「あっ、あっ……」

と吐息をもらしていた。

「連絡先、教えてよ」

男が手を差し出してくる。

戸惑うまつりに、

「もちろん、拒否権はないってわかってるよね?」

男は笑う。

人の良さそうな顔をしているのに、それはきっと表面だけだ。

仕方なく、まつりはスマートフォンを出して連絡先を表示した。

男はその場で、まつりに一度メッセージを入れる。

目の前で正しい連絡先だと確かめて、まつりの肩をポンと叩いた。

「また呼び出したら、ちゃんと来るんだよ?そうじゃないと……どうなるかわかるよね?」

別に、まつりがしたことに証拠はないだろう。

男が写真を撮っていたような様子はなかったし、本だって元に戻した――

もちろん、元に戻したからいいというわけではないが。

だから、連絡を無視して逃げてしまうことだって、きっと出来なくはない。

それでも、まつりは男の言葉に頷いてしまった。

男に散々弄られた身体が、じんじんと疼いて快感の余韻よいんを残していた。

「またね、まつりちゃん」

去り際に脇腹をそっと撫で、男が去っていく。

そんな接触だけでも、身体がひくりと反応した。

「なんでこんなことに……」

自分が悪いとわかっていても、ついそんなことを呟いてしまう。

スマートフォンを見ても、もちろん男からの連絡はまだ、来ていない。

次の連絡を期待してしまっている自分にため息を突きながらも、まつりの気持ちは――身体は、すっきりしてしまっていた。

本屋に来る前にあったイライラは、もうすっかり消えていた。

数日後、男からの連絡に、まつりはまた本屋に向かった。

三階の奥のトイレで、また、まつりの淫らな嬌声きょうせいが響くことになる。

- FIN -

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