飯田君はうっとりした瞳でこちらを見下ろす。
無意識なのかもしれないけれど、彼がごくりと唾を飲むさまは、ご飯を食べる前の表情に似ていて――あぁ、私飯田君にもっと食べられちゃうんだ、と自覚する。
「ね、もう……飯田君が、欲しいよ……」
クリでイかされた私の身体は、ぐったりとだるいのに、膣が切なくひくひくしている。
何より、ずっと勃起したままの彼を見ていると、早くなんとかしてあげたくなってしまう。
「ん……もうちょっとだけ……」
飯田君は中指と人差し指を私のナカにくぷんと挿れる。
とっくに蕩けきったそこは、彼を難なく飲み込む。
「こんなに濡れるの……恥ずかしい……」
「加奈子さんが反応してくれてるの、僕は嬉しくてたまらないですけどね」
飯田君の指はなじますように奥まで潜り込み……入り口近くで関節をくにっと曲げた。
「ひぁ……っ！」
優しく、でもはっきりとした強さで押し上げられたそこは、じわじわとナカに熱を走らせた。
「な、に、これ……」
指の腹でくいっと持ち上げるようにノックされると、くすぐったいような快楽に腰が無意識に揺れてしまう。
「加奈子さんの気持ちいいところ、かな。もっとヨくするから、リラックスしてね」
飯田君は優しく微笑み……指をナカに入れたまま、クリトリスを口に含んだ。
「だめっ！一緒だめぇええええ！」
その瞬間、尿意に似た刺激に全身が痙攣する。
まるで内側からもクリトリスを苛められているみたいで、どこにも快楽を逃がせない。
「んぁああっ！あんっ！あああっ！」
ナカで指でこんこんと持ち上げられたり、スライドするような動きの度に愛液が止められない。
さらにそれを舌で掬って、ぬるぬるとクリに擦り付けられると、強すぎる刺激に目の裏が真っ白になる。
「いいよ。イって」
指の動きと連動してクリを吸われ、私は恥ずかしい体制のまま声を上げて盛大にイってしまった。
「あぁ……もう、もうだめぇ……！」
イったのに、イっているのに。
絶頂が終わらず、じわりと自分から出てくる暖かい液体が止められない。
初めてナカでイクということを経験した私は、もうそれだけで意識が遠のきそうだった。
苛められすぎたクリは飯田君から解放されても、びくんびくんと痙攣してしまう。
（えっちが……こんなに気持ちいいなんて思ったことないよぉ……）
どこもかしこも飯田君に触れられる度に過剰に反応してしまう。
恥ずかしくてたまらないのに、もっとしてほしいと、いけない火が胸の中で灯っている。
「……加奈子さん、もう、逃がしてあげられないですからね」
ぐったりと肢体を伸ばしていた私を飯田君は見下ろし、蕩けきったそこに隆起した自身を擦り付ける。
「うん……私のこと、全部食べて？」
彼が入ってくるのに合わせて、その肩にしがみつく。
「あああっ！おっきいの、きたぁ……！」
潜り込んだ肉棒の温度が嬉しくて、きゅんきゅんと締め付けてしまう。
飯田君が切なそうに息を詰まらせているのがかわいくて、腰に足を絡めた。
「ああっ……奥まで、きもちい……！ね、飯田君は、私のナカ、……あんっ！きもちい？」
「いいに、決まってるじゃないですか！」
「んんんっ！」
指じゃ届かないところまで容赦なく暴かれ、圧倒的な質量でごりごりと擦られる。奥のしこりと鬼頭がこすれ合った時、また達しそうな波が近いことを感じた。
私がイきそうなのは、もうナカの具合でわかっているみたいで
「くっ……もっとゆっくり味わいたいのに……僕も、持たないかも……」
少し腰の動きを緩めながら、悔しそうにしている。
「イこ……今度は、一緒がいいな」
甘えて、キスをねだると、すごく嬉しそうな表情で答えてくれる。抱きしめ合う温度が嬉しくて、このまま一つになりたいと心から思った。
「ん……一緒に……！」
耳元で囁く声は優しいのに。
私を抱きしめたまま容赦なく突き上げる肉棒は、よりずっしりと私のナカで暴れ、びくびくと痙攣する。そして、一番深いところでそれは弾けた。
「い……くっ！」
合わせて、私も暖かいそれを受け入れながら息を荒くした。
ぴったりと体を合わせたまま、なんとなく彼の頭を撫でてみる。
「ん……加奈子さん？」
「ふふっ……飯田君、可愛いんだもん」
「それ、ちょっと複雑ですね」
そういいながらも、撫でられるのは好きみたい。
大人しくて、温厚な草食系だと思っていたのに。
食欲も性欲も旺盛な、肉食系だったわけで。
「飯田君……私、今、すごい幸せ」
ぬくもりを噛み締め、キスをした。
あの建付けの悪い扉の音は、私の壁を壊してくれる音だったのかもしれない。
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