「これ…なに」
あたしは自分の目を疑った。
「ん??どうしたぁ?」
目の前にいてニヤニヤと笑っているのは彼氏の
「いやどうしたって‥‥あたしの服を返してよ。」
「やっだー」
………
………
説明します。
今日、あたしと悠介は朝からデートしていました。
そこに雨がスコールのように振りまくったため、近かった実家暮らしの悠介宅にお邪魔したんです。
そうしたら悠介の弟君の
そのままシャワーに入っていいと言ったから、あたしは一人入ったよ。
「服の替え‥‥‥」
「気にしないでください。乾かしておきますね」
「できる弟だわー。悠介もあとで入ってね」
「‥‥‥」
そこに感じた悪い予感を引きずりながらも、寒いあまり耐えきれずすぐさまシャワーに入ったんです。
あたしがシャワーを浴びているときに、浴室のドアがコンコンと鳴った。
返事をすれば孝介くんで「服を置いておきますー」と言ってくれた。
感謝の言葉を言えば、孝介くんはそそくさとその場からいなくなる。
浴室を出ると、そこには悠介がいた。
全裸なんだからあわててバスタオルを巻いたよねっていう。
そんなあたしにワイシャツを出した。
あたしははてな、となっていれば、「着てもいいよ」という。
というかあたしはあたしの服を着たいんだけど!!
だけど見渡す限りあたしの服は見当たらない。
さっき孝介くんが持ってきてくれたはずなのに‥‥‥。
こうして初めに戻る。
‥‥‥
‥‥‥
‥‥‥
「ラッキーだな、孝介」
「兄ちゃんはほんと無理やりだよね」
ひとり部屋中あたしの服を探している横では、そんな会話があった。
どうやら無理にあたしの服を隠したらしい。
なんでかと聞けば、「そのかっこうが萌えるから」だ。
萌えるってなんだよ‥‥‥。
女性が男性のワイシャツで下着姿なのがいいらしい。
けど本当は下着姿じゃない。
あいつが興奮しているのは、あたしがノーパンだからということ。
だって濡れたんだもん、下着もないよ!