あたしは妥協を許さない女。
曲がったことが嫌い。
世の中のイエスマンが嫌い。
だって意見があるなら言うのが普通じゃない。
自分が動かないと周りは動かない。
そんな風に育ってきた。
ある日の会社。
いつものように出勤すると会社が悶々と重苦しい環境になっていた。
問題がわからないあたし。
何事かと同期に聞けば、
「常務がセクハラで訴えられたらしい」とのことだった。
確かにうちの常務は生粋の女好き。
まぁいつあってもおかしくはなかったねと思う。
そしてそのセクハラを受けた相手は、会社で一番可愛い、あたしの部下。
ただし、本人は知らないと思うが、
性格の悪さ、二重人格ということはあたしは知っている。
彼女のおかげで会社を首になった友達を知っているので、本性は知っていた。
よくありがちなわがままっこ。
周囲には甘々だが、嫌いな相手、受け付けない相手にはかなりシビアらしい。
しかもそれは、相手の顔面偏差値によるらしい。
相手は選んで媚び売ってんのね。
そんな正体をを知りながら、あたしは野放しにしていた。
………
………
「
そんなある日。
セクハラを受けた
おそらくセクハラの内容だろうと読んだ。
「どうした?」
「相談が…………」
思わず「セクハラの?」と聞いた。
「はい」
「いいよ」
あたしは課長から部屋を一つ借り、中に入った。
そこにはあたしと最上の二人だけ。
「で、どうした?」
「セクハラ………受けたんです。相馬さんになら話してもいいかなって」
「どうしたいの?」
「訴えたいですよ!けど………でも…………お金もないし…………」
はいでた。
彼女は自分のお金を使いたくないので、他人にせびるのだ。
これによってあたしの社内の男友達も巻き上げられたと言っていた。