先程までは、只一心に家に着いてからどんなオナニーをするか考えていたので、あまり気が付かなかったが、階段を二、三段登ってから、急に疲労が激しくなった。
リビングのテレビの前に据えられたソファに荷物を放り投げて、手を洗わず、着替えもしないで、そのまま寝室に入った。
寝室にはベッドの他に、一つの小さな棚がある。それは真黒の、優希の膝程の高さで、四つの引き出しがある。
上から、
第一にコンドーム
第二に三種類のディルド
第三にローション
一番下にはスマホを支える為の脚立が入っている。
ベッドの足元には鏡台がある。優希は寝室の電気をつけて、クシャクシャになったベッドを軽く両手で整えた。
今朝、優希は寝坊をしたのだった。
幸い遅刻はしなかったが、優希はベッドの上を撫でながら、
昨夜は寝室とお風呂でそれぞれ二回づつオナニーをした。
何故そんなにしたかと聞かれれば、上手く答えられない。
とにかくムシャクシャしていたのだろう。
そんな事で、股間がピリリと痛むのを我慢して徹夜をしたものだから、夜が明けて、ついつい目覚ましの喧しい音にも気付かずギリギリの時間に起きてしまったのだ。
優希は次はないと思った。
また昨夜と同じ事をすれば、今度は確実に遅刻するだろうと思った。
優希は、とはいえ教師である。
そう言う所はしっかりしていたのだ。
優希は引き出しから脚立を取り出し、スマホを適当な場所にセッティングして、ベッドの上に座った。
スマホの位置は、なるべく自分の顔が映らない様に、そして首から下が全部映る様にセットした。
優希は早速、下着姿になってしまう為、ズボンを下ろし始めた。
と、不図、録画していない事に気が付いて、ズボンだけを脱いでからスマホの録画ボタンを押した。
再びベッドの上に戻ると、再び何か思い出した。
それは、優希をひどく喜ばせる物であった。
一体いつだったろうか、優希は媚薬を購入していて、それが家に届いてからは例の貧乏根性によって明日明日と使用する事を遅延し続けて、結局媚薬の事は完全に忘れてしまっていたのだ。
なにせその媚薬というのが、高級な物で、何事にも慎重すぎる優希は半年考え続けて、やっとある日それを買う決心をしたのであった。
今日こそそれを使ってしまおう。
優希は下着姿になってしまって、棚の中を漁ってみた。
媚薬はローションの入っている引き出しの中にひっそりと潜んでいた。
優希はそれと、ディルドを持ってベッドの上にアヒル座りをした。