ラブラブ

南国気分

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約2年半ぶりに会えた日は、とても暑い日だった。

電車をおりて、駅構内を少し歩いただけでも汗だく。

「久しぶりと言っても、テレビ電話で話してたから、あまり実感ないかな?」

「直接会えるのと電話じゃ、やっぱり違うよ」

なんて話しながら、ハル君の車に乗る。

「ユリちゃん、ちょっと肉ついた?」

「やっぱり分かる?自粛太り」

「テレビ電話じゃ、分かんないもんだね。
でも前が痩せすぎだったから、今の体型の方が俺は好みかな」

「ハル君は痩せた?」

「ストレス痩せ」

他愛ない話をしてるうちに、ハル君のマンションに着く。

「どうぞ?」

と言われて、玄関に足を踏み入れてびっくり!

そこは南国。

窓や壁に、ヤシの絵とか南国の鳥の絵が貼られてる。

「すごいね」

と言いながらリビングに行くと、そこは海。

青のビニールシートをうまく細工して海のようにして、波の音と鳥の鳴き声も聴こえる。

暑さもちようどいい。

「すごい!大変だったでしょ?」

私が聞くと、ハル君は照れる。

「ユリちゃんに喜んでほしくて」

「うん!嬉しいよ!ありがと?」

気分は南国旅行。

水着に着替えて、パラソルつきのテーブルでご飯。

「南国に行ってみたい」

と言った私の言葉、覚えててくれたんだな。

小さいプールもあって、体を冷やせるようになってるのも嬉しい。

私の水着姿をハル君はじっと見てる。

「あんまり見られると、恥ずかしいんだけど」

「魅力的だなと思ってさ」

「太ってるし」

「そう?言うほどじゃないよ」

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(あ?。この流れは…)と思ったら、ハル君に腕を引っ張られる。

予想通り、キスの流れ。

どうして男は、こういう時雰囲気に酔ったような演出するんだろうね?

まあ、久しぶりで私もしたかったからいいか。

久しぶりどころか、2年半ぶりだけど。

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