不倫・禁断の恋

何も知らないのは夫だけ

どこからそんな自信が生まれるのかは不明だけど、夫は私からべた惚れされてると思いこんでる。

本当にただの思いこみでしかないのにね。

私と夫は見合い結婚。

見合いというか、家同士の都合で結婚した政略結婚も同然。

私の実家が本家筋で、分家筋の夫は私の遠縁にあたる。

一流大学出身の夫は、私の親が経営している会社の補佐をすることを条件に私と結婚した。

まるで自分が次期社長であるかのようにいばりくさってるけど、会社を継ぐのは私の兄と決まってるっての。

お勉強はできるみたいだけど、中身はスカスカな夫に嫌気がさしてる今日この頃。

学歴主義の父は夫の出身大学を聞いて、私の夫と決めた。

兄は私と夫の結婚に反対だった。

兄は人を見る目があるから。

だけど父がうるさくて、イエスマンの母は父に逆らえない。

「遠からず自分が会社の経営権を握るから、それまで辛抱してくれ」

と兄から言われて、私は渋々夫と結婚した。

学歴主義の父は夫を持ち上げまくる。

賢くない夫は調子に乗って、自分より学歴が劣る兄を馬鹿にしてる。

最近では、父に自分を会社の跡継ぎにしてほしいとねだる始末。

本当に鬱陶しい。

「行ってくる」と、今朝夫がウキウキしながら出張へ出かけた。

出張は女秘書と一緒。

夫の愛人だ。

夫は私を馬鹿にしている。

だから堂々と浮気する。

本人達は隠してるつもりみたい。

バレバレなんだけどね。

仮に私にバレたとしても、夫は私が夫にべた惚れだから離れることはないと思ってる。

これは以前、聞きたくもないけど愛人との会話で聞こえた。

隠せてるつもりだから、平気で自宅で電話してるんだ。

何でそこまで堂々とできるのかが不思議。

もう少し、コソコソやってりゃ可愛げがあるものを。

ただでさえ夫にイラついてんのに、余計にイラつくし。

まあ、もうすぐあいつらも地獄を見るだろうから構わないんだけどね。

スマホのLINE通知音がする。

タケちゃんからだ。

「もうすぐ着きます」

とあった。

夫がいない間しか会えない私の大切な恋人。

1 2 3 4
RELATED NOVEL
今まで見下していた兄に襲われて 不倫・禁断の恋

今まで見下していた兄に襲われて

356 views 作・谷野 潤二郎
官能小説が無料で読める ちょっとエッチな子猫たん
秋のように肌寒い灰色がかった春の土曜日、金田望結(かねだみゆ)は朝から自分の部屋にこもってゴロゴロしていた。 練習試合などが続いて休みのなかった部活が久し振りに休みになったの …

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。