不倫・禁断の恋

何も知らないのは夫だけ

LINEの通知から20分ほどして、玄関のチャイムが鳴った。

嬉しい!やっとタケちゃんに会える。

玄関のドアを開けると、すらりとしたボーイッシュな女性に見える男性が立っていた。

「遅くなったかな?」

と、かっこいいハスキーな声。

もうこの声を聞くだけで、腰がくだけてしまう。

「全然!入って!入って!」

私はタケちゃんの手を取って、家の中に引っ張りこむ。

彼はそんな私に優しく笑う。

「何か飲む?」

と私が聞くと、

「飲むより、エミちゃんを食べたい」

なんてクサいセリフ。

でもタケちゃんが言うと、気分が高揚する。

実は、タケちゃんは元女性。

初めて会った時はまだ女性の姿だった。

性同一性障害とか、私は詳しいことは分からないけどタケちゃんが男の人になりたいのは理解できた。

女性の姿だった時も、タケちゃんはその辺にいる男よりもずっとかっこ良かった。

私はどんどん惹かれていった。

そして、いつからか恋人関係になった。

私はタケちゃんが女性の姿のままでも構わなかったけど、タケちゃんは男性になりたいと手術を決めた。

タケちゃんは家族ともめにもめたらしくて、最終的に親子の縁を切られたらしい。

「仕方ない」と笑ってたけど、私は悲しかった。

でも「エミちゃんがいるから大丈夫」

と言われて、すごく嬉しかった。

だから夫とは結婚したくなかったけど、あの父のことだ。

タケちゃんとの関係を知れば、彼に何をするか分からない。

私の兄もタケちゃんを受け入れてくれたし、私達の関係を応援してくれてる。

兄が父を蹴り落とせば、何もかもうまくいく。

それも、もう遠くない。

私が下になって、タケちゃんが上にかぶさってくる。

私の部屋のベッド。

夫と一緒に寝るのは嫌だから、私用の書斎にベッドを置いてる。

夫は私を抱くのが嫌らしい。

オッパイ大好きだから、貧乳の私を抱く気にならないみたい。

貧乳にはコンプレックスがあったけど、この時ほど自分の貧乳を喜んだことはない。

何よりタケちゃんは私の体を喜んでくれるから、好きでもない男が私をどう思おうと興味なんてない。

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