「ね、ねえ、
「は、はい」
急いで佐藤君のいるところまで階段を下りた私は、すぐにそう聞いた。
気まずそうに目をそらす彼。
「もしかして、見えた?」
「何が、ですか……」
「えっと、スカートの中身、なんだけど」
「ぱ、ぱぱぱ、パン、パンツの、ことですよね」
ああ。
これは、終わったかもしれない。
「いや、パンツじゃなくて」
「み、みみ、見えてない、ですよ!毛なんて!」
「見えてんじゃんっ!」
くずおれる私。
「ご、ごめんなさい!」
土下座する佐藤君。
「ち、違うの、これはね!」
「ぼ、僕、言いません、から……」
「ち、ちがうの!訳を説明させて……」
私は必死に弁解を試みる。
私は変態じゃない。
そう言いたいだけなのだが、この状況がはずかしくてなかなか落ち着けない。
私が何を見られたのか。
それを説明するには、時を少しだけ巻き戻す必要があるだろう。
時を、戻そう。