ひとりエッチ

忘れられない思い出

いくら池内の事が好きでも彼の舌をよく見た事はないし、当然触った事もない。

それにそんな事をしている自分が少し気味悪く感じられて止めてしまった。

私はティッシュで自分の濡れた腕を拭いた。

そして椅子に座ったまま自分の脚が自由になる空間が設けられるまで後ろに下がり、右脚を勉強机の縁に載せてズボンを膝の下までおろした。

電気の明かりに照らされて私の脚は白く光沢を帯びていた。

それは先程の腕よりも何倍も美しかった。

私はそれを足首から脛という風に撫でた。

これを池内に見せたらどうなるだろう?喜ぶだろうか?それとも脚には興味ないのかな?

私は椅子から立って、ズボンを脱いだ。

部屋には私一人しかいないはずなのに、何だか恥ずかしい。

私は床に座ると太腿に顔を近付けた。

矢張り綺麗だった。

太腿の内は柔らかかった。

両手で両腿の内側を無心に擦りながら、不図段々とムラムラして来るのを感じた。

私はパンティーの上から中指でかき回すようにあそこを触った。

しかし今まで一度もひとりエッチをした事が無かったので、少し怖くてあまり勢い良くは触れなかったのでゆっくり小さい力で愛撫していたのだが、それでもとても気持ち良かった。

淡く絶妙な快感が下腹から顔まで広がって来た。

パンティーの指で触れた部分が濡れていた。

私は思い切ってパンティーを脱いだ。

あそこ付近の恥毛が濡れていた。

両手であそこを開いてみた。

それはまるで桃にかじりついた跡のように濡れていた。

そして両脚を大きく左右に開いてみると、なるほど男子が女性器をアワビにたとえる理由がわかった。

ジューシーで脂の乗った美味しいアワビのようだった。

まぁ、私はアワビなんて一度も食べた事ないんだけれどもね。

私は勇気を振り絞って熟れたアワビに人差し指で触れて、恐らくクリトリスであろう小さな突起を刺激した。

「あむんっ」

私は思わず変な声を出してしまって、直ぐに口に手を当てた。顔が赤くなるのがわかった。

私は耳を澄ませて、部屋の外の空気の振動を調べた。

特に怪しい空気の波は感じられなかった。

そして緊張が解れると、下半身丸出しで変な声を出してしまった事の滑稽さが今更になって私を襲い掛かった。

私は声を出して笑った。

と、突然ドアがノックされた。私はビクンっとしてドアを凝視したまま固まってしまった。

「おい、姉ちゃん!ご飯出来たって!」

ドアの向こうから弟の将暉まさきが叫ぶようにしてこう言った。

叫ぶのは何時もの事だった。

私は返事をすると急いでパンティーとズボンを履いて、電気を消すと部屋を出た。

この日の夕食はハンバーグとレタス、白米にもやしの入った味噌汁であった。

父はまだ帰っておらず、私と母と将暉の3人で食卓を囲んだ。私は冷蔵庫から麦茶を取って来て皆のコップに注いだ。

「そう言えば将暉今日英語のテストじゃなかったっけ?どうだったの?」

母が聞いた。

「テストって言ってもそんな大袈裟なものじゃないよ。10問だけの簡単な単語テストだよ。」

「だから何なのよ、それだって大事でしょ。どうだったの?」

「まあまあだね」

「あっそう」

母は一枚の大きなレタスをバリバリ音を立てて食べた。

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