ひとりエッチ

忘れられない思い出

ご飯を食べ終えるとまた机の上に突っ伏して目を瞑った。

学は今どうしているだろうか?みのりとまだ続いているのだろうか?

ああ、また何か考えてる。もう嫌だ。

段々と教室は騒がしくなって、次の授業の先生が既に教壇に立っていた。数学だった。

私は自転車に乗りながら傍らに川の流れる堤防を走っていた。

朝から晴れていた空が今は怪し気な色をしていた。

鴉が欄干にとまって挙動不審に顔をキョロキョロさせて、何か見付けたのか気紛れか、黒い翼を両方に広げてワサワサと向う岸まで飛んで行った。

家に帰ると既に将暉が居てテレビで『タイタニック』を見ていた。

私は手を入念に洗ってから部屋に入って鞄を放り投げ、バタンと床に寝転がった。

ローズとジャックのような情熱は私には全くなかった。

もし私がローズで学が冤罪のため手錠を柱につけられて部屋に閉じ込められて浸水の犠牲になりかけているジャックだとして、果たして私は助けに行く事が出来るだろうか?

もしかすると諦めてしまって素直に救命ボートに乗ってしまうのではなかろうか。そして学は部屋の中で一人助けを呼びながら、遂に溺死してしまう。

私は急に怖くなった。

気付くと私は泣いていた。

学の所に行きたい!学と一緒になりたい!

私はまた外に出た。

そして先程の堤防を徒歩で通って常盤公園まで行った。

私は真っ直ぐに千鳥ヶ池まで行った。

鴨の親子が可愛らしく泳いでいた。

子鴨が彼方此方に気を取られながらも一生懸命親鴨に続いて泳いでいた。

親鴨も子鴨の方を何となく気にしながらゆっくり泳いでいた。

池のすぐ近くにある東屋で一人の老人が沢山の鳩に餌をやっていた。

私は家に帰ると机に置いていたスマホを見た。

池内からLINEが来ていた。

しかしその内容は見ずに無視した。

16時48分。

私はあの夏の放課後の出来事を思い出した。

学は今どこに居るのだろうか?

私はムラムラして来た。

部屋のドアがきちんと閉まっているか確認してから私はズボンをおろした。

そして布団を敷くとその上に横になってパンティーを脱いだ。

体育座りの状態から両脚を開き上半身を後ろに倒した。

私はクリトリスを右手の中指で円を描くように優しく撫でた。

淡い快感が熱を含んで体全体にゆらりゆらりと広がった。

私は無意識に目を瞑り口をぽかんと開けながら腰を浮かせて感覚器官に全神経を集中させていた。

心臓が激しく脈を打っていた。

段々と私の中指に力が入って、小刻みに早く強く動かして刺激していた。

間もなくして腰辺りがムズムズして来て、私はイッた。

あそこの肉がギュッと収縮して腰から胸まで波打つように痙攣した。

絶頂に達した後も暫く私は指をあそこに当てて、腰をクネクネ回すように動かした。

息が荒くなっていた。

そして私は暫く休んでから中指を膣に挿れた。

膣の中はグチャグチャしていて柔らかかった。

指を挿れながら、私は学の白く熱い肌を想った。

そして彼の勃起した立派なペニスが私の中にグリグリと入ってくるのを想像した。

私は人差し指も挿れた。そして彼のペニスと私の2本の指がリンクすると、それをゆっくり出し入れした。

ああ、あ、気持ちいい…。

私は動かすスピードを上げた。そして彼の暖かい吐息と獣のような荒々しい息遣いを耳で聞いた。

私の指は意図せずにさらに速力を上げて、段々と膣がきつく締まってくるのを感じた。

そして私の指が奥まで入った瞬間に膣がグッと指を締め付け、脳天に雷が落ちて来たかのような衝撃が私を襲った。

私は全身を激しく波打たせて痙攣していた。

それと一緒に大きな声を出していた。

私はTシャツを脱ぎブラジャーを外すとそこそこ大きくなった乳房を揉んで乳首を触った。

そしてまたイッた。

驚く程早かった。

私は汗だくになりながら掛け布団を押入れから出して来てそれを被って横になった。

実際には居ないけれども、何となく隣に学が居てくれているような気がした。 

私は彼に優しく抱擁されていた。

私は嬉しいのか悲しいのか寂しいのかわからぬまま泣いていた。

私はそのまま寝ようと思ったけれども止めた。

起き上がって着替えると、布団を仕舞ってから部屋を出て浴室に向かった。

将暉はまだ映画を見ていた。

『ナポリの隣人』と言う映画であった。

私は体を洗って、少しあそこが痛むのを感じた。血が出ていた。

部屋に戻って池内のメッセージを見た。

明日、私とデートをしたいらしい。

私はそれにはっきりとした断りのLINEを送った。

外から子供の泣き声が聞こえてきた。

西の空は夕焼けで美しくなっていた。

カラスが鳴いていた。

そして私も泣いていた。

- FIN -

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