マニアック

お兄ちゃんだって思ってたのに

我がもの顔で好き勝手に蹂躙じゅうりんすることで、彼女に自分という雄を覚え込ませるつもりなのだ。

「ぁ、ぅあッ!い……い、く、イって……」

「ふふ、真っ赤。林檎みたいだね」

いい子にできたら、林檎でも剥いてあげましょうか。

そうれ言を囁いて、男が彼女の頬を唇で啄む。

見目好みめよい顔をちっとも兄らしくない笑みに染めて、空也は傲慢な口付けで梨々香の口膣までも犯した。

いやいやと左右させた顔を空也に掴まれ、無理やり正面を向かされる。

強制的に視線を絡められて、梨々香は羞恥で頬を染めた。

空也はにやりと意地悪く笑みながら、汗ばんだ額に張りついた前髪をざっとかきあげる。

「お兄ちゃんは今日で終わり。

これからはあなたの男だ、ねぇ、分かりましたか?」

「やだ、も、奥しないで!ひどいことしないで……」

男に少しでも抗おうと、身体に力を入れて警戒している梨々香を見下ろしつつ、空也はふむ、と呟いた。

なだめるように彼女の両肩を撫でながら、優しげな声音で「終わりにしますから、ね、力を抜いて」と囁いて聴かせる。

「ほんとう……?」

「ええ、勿論」

梨々香がそろそろと力を抜くと、空也はぐっと両肩を掴み――えぐるように貫いた。

防御すらできずに奥の奧まで陵辱りょうじょくされ、梨々香の口から絶叫がほとばしる。

「ンぁァァあああッ!?ァ!あぅッ!ひィィッ」

蜜孔の最深部まで突き込まれ、その圧倒的な量に、腰骨がぎしぎしと軋む。

視界も思考もグラついて定まらないのに、秘処は勝手に侵入者を歓待した。

きゅうきゅうと甘え媚びて、悦んでよだれをしている。

「はッ、ぁ……!嘘つきっ、うそつきぃぃ」

「嘘なんてついてないよ」

「ひ、深……ッ?あ”、ッあ、ぁ”……イ、イく、ぅぅ……っ」

孔内を強引に押しひらかれて、膨れた肉棒を幾度も打ち込まれる。

ひっきりなしに嬌声を上げながら、狭まる視界のなかで空也を睨み上げた。

「ふ、かわいいね、梨々香。

ぐすぐず泣きながら睨まれると、たまんない気持ちになる。

梨々香に初めて会った日を思い出すからかな…。

梨々香も僕をかわいいと思ってくれますよね」

「そんな、わけ、ッあ!んっ、んぁッ」

 

昼の陽気のなか、一緒にでかけたとき、照れたように微笑んだ空也をかわいいと思った。

けれど夜の褥のなかで、意地悪く唇をゆがめる男をかわいいなんて思えない。

解っていながら問うてくる、それはきっと彼が愛されたいからだ。

そう思い至った瞬間、梨々香の胸がきゅんと甘く締め付けられた。

「私が好きでしょう?好きに、なってくれますよね」

空也の言葉はどこまでも傲慢なのに、梨々香を見つめる瞳は切なく、触れる手は甘い。

「ン、……すき…」

「そう、いい子だね」

ぬごっ!と、狭い孔奥に肉が嵌まり込む感触。

重く濡れた衝撃が、全身を痺れさせ。

「とどめを刺して上げるね」

お望み通り、終わりにしてあげる。

「ね、僕は嘘なんてついてないでしょう?」

耳元でそう囁かれた瞬間、ド……ッと熱い何かがなだれ込んだ。

子宮を犯されるような初めての感覚だった。

ぼとぼと、と溢れた熱が太腿を汚す。

「あ……中に、……ッ」

精液を中に出されたのだと理解した途端、耐え難いほどの絶頂感にのぼせ上がった。

脳髄が熱くとろける。

「ぁ、あ、ひァぁぁぁァァッ」

「っ、は、中出しされて、イってるの……」

目元を火照らせた空也はそう囁くと、再び梨々香の最奧をごちゅごちゅと突き上げた。

快楽のなか、視界が暗転し――。

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