マニアック

おとな動物園

「失礼します。ドリンクお持ちいたしました」

 さぁっとカーテンが開き、狼コスの真雪さんが入ってきた。

「お客様。もう一人女の子をお付けできますが、いかがなさいますか?」

 真雪さんのコスは私に似ているけれど、トップスがファーではなくてマイクロビキニ。

 私よりもずっとおっきいお胸がたゆんと揺れている。

 露出が多ければ多いほど、触れるところが多いから、真雪さんは人気の嬢の一人だ。

 ……ちなみに私はトップ争いとは無縁だったりする。
  

「……このまま菜乃さんに二人でつくことはできますか?」

 梅原さんの提案に、私は「お?」となったけど、日坂さんが背後でくすりと笑う。

「えぇ。もちろん可能ですよ。そろそろ『ふれあいタイム』ですから、このバスケットの中のものをなんでもお使いください。では、ごゆっくり」

 真雪さんは私に「がんばれ」と口パクをして退出する。

 私、複数指名って初めてかも……。

「梅原さん、いいの? 私で」

「……はい。日坂先輩に可愛がられる菜乃さん、最高ですよ」

「あは……そういうの、好きなんだ? おっぱいばっかり見ているから巨乳が好きなんだと思ったのに」

「……それ以上に、いちゃいちゃ甘えてくる女の子が好きで……」

 梅原さんは、れろ……と私のふとももを舐める。

 きわどいところを目指す舌先が、ちゅっちゅと音を立てて吸い付かれると触れられていないアソコがきゅんきゅんした。

「あー……あとちょっとの我慢が辛いなぁ。菜乃ちゃん、いじめめられたくて仕方がないでしょ?」

「えへへ……わかります?」

 ホットパンツの中は、下着じゃ吸いきれないほどとろとろになっていて……触ってもらえない乳首がじんじん疼いている。

「はぁー……確か、ポリネシアンセックスって言って、六日間裸で抱き合って、最終日にやっと挿入できるっていうプレイがめちゃくちゃ気持ちイイって聞いてたけど、僕には無理だなー。たった三〇分が超辛い」

「ん、私も無理かも……えっちすることで頭がいっぱいになっちゃう……」

 私を抱きしめていた日坂さんと目が合うと、唇を重ねた。

「ん……ふぅ……ちゅっ」

 角度を変え、唇の感触を楽しみ、深く、舌を絡ませる。

「ひさ……んっ、ちゅ、ん……はぁ、んんっ……!」

 口内を暴れる舌がとろとろと唾液で絡み合う。

ぢゅうっときつく舌を吸われると、身体の奥がじんわりと熱くなる。

「……っ!」

 私がキスに夢中になっている間、梅原さんはじっとこちらを見ていたらしい。

 ごくりと嚥下えんげする音に、二人きりじゃなかったことを思い出し、少し恥ずかしくなる。

 このまま放って置いては可哀そうかな、と思ったときだ。

 店内の照明がふっと全て落ちる。

 そして、軽快な音楽が流れた。

『飼育員の皆様。本日は『大人のどうぶつえん』にお越し頂き、誠にありがとうございます。ただいまより日ごろの感謝を込めて『ふれあいタイム』をスタートいたします』

 あぁ、やっと……。

 私は真雪さんが持ってきてくれたバスケットからそれらをテーブルに広げた。

「今日はどれで遊んでくれるの?」

 ニンジンカラーに着色した電マ、バイブ、ローター……。

 日坂さんはローターを手に取り、私に渡す。

「菜乃ちゃん、これをパンツの中に入れて」

「そ、れ……アリなんですか?」

 日坂さんのオーダーに梅原君はぎょっとする。

「女の子が自主的にそうするのはアリだよ。脱いだりするのはダメだけどね」

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