「で、でもさ、別に良いんじゃないの?初めてなんだから」
「でも、やっぱり彼氏がリードしないといけないでしょ」
「信吾はまだ高校生なんだから、リードとか考えなくて良いの。二人共初めてで、探り探りやるのが良いんでしょ?その方が良い思い出になるんじゃないの?」
「彼女はもう経験してるんだよ、だからカッコ悪いじゃん」
「そんな事言われたって、私処女だし…」
雅美はそう言って、直ぐに口を抑えた。
私ったら何を言ってるのさ、自分の弟に!
信吾も些か驚いた表情で雅美の顔を見た。
しかし、信吾が驚いたのは、雅美が処女であるからではなく、雅美の口から処女という言葉が出た事に対してであった。
部屋の隅から沈黙が湧き出す。
雅美は自分の胸に襲いかかる緊張と羞恥に縛られて、その場にじっとしているしかなかった。
信吾は何を思ったのだろう、再び頭を下げて、今度は右手を前に差し出した。
まるでプロポーズのようだ。
雅美は腰掛けていた椅子から立ち上がり、信吾に近付いた。
………
………
………
「じゃあ、信吾がリードしてよ、私、何もわからないんだから…」
雅美は動揺を隠す為に、少しばかり怒った口調でそう言うと、机の側にあるベッドに座った。
信吾も雅美の隣に座って、顔を真っ赤にしながら雅美の肩に手を置き、唇を重ねた。
信吾の手は僅かに震えている。
信吾は雅美の唇を挟んだり、口の中に舌を入れ込んで、四方八方を舐め回す。
それが妙にスムーズで上手かった。
ディープキスとか何処で覚えたんだろう?
雅美はそんな事を考えながら、信吾の舌と自分の舌を絡ませて、時折互いの唾液を吸ったり、顔の角度を変えて更に舌を深く入れ込んだりした。
二人の熱い吐息が、淫靡な雰囲気を彩る。
不図、信吾の震える手が、雅美の乳房を掴んだ。
「ん!」
雅美はこの時初めて、自分以外の人に乳房を触られた。
信吾の大きな手は、雅美の割に大きな膨らみを揉み始めた。
丁寧に、優しく、信吾は自分の姉の乳房を揉んでいた。
信吾の顔が離れた。