鼻の先に見える信吾の顔は、雅美の思っていた以上に端正で目鼻立ちのしっかりしていた。
雅美は一瞬、その顔に一目惚れをした。
しかし直ぐにこの顔が弟である事を思い出して、雅美は首を振った。
「姉ちゃん、俺のキスどうだった?」
信吾は目の前で俯いている雅美に聞いた。
雅美は顔を上げて、じっと信吾の目を見詰めた。
信吾は矢張り真っ直ぐで綺麗な目をしていた。
よく見る目だった。
が、何か違う様な気もした。
何が違うのかと聞かれると、上手く答えられない。
如何にも形容のし難い目だった。
「姉ちゃん、服を脱がして良いかな?」
雅美は頷いた。
信吾は雅美の頷いたのを確認すると、Tシャツの裾をたくし上げた。
Tシャツをベッドの上に、ー恐らく遠慮をしているのだろうー軽く畳んでからそっと置いた。
「青色のブラジャーをしてるんだ」
信吾はそう言って、雅美の顔を見て、ニヤニヤしている。
信吾のそんな表情は今まで見た事がなく、雅美は驚いたが、直ぐに顔を赤らめた。
「これも、取っていいかな?」
「うん、良いよ…」
信吾は胸を雅美に近付けて、ブラジャーのチャックに手を掛けると、暫くゴチャゴチャやってから外した。
信吾の顔には、先程の妙な笑顔が消えて、緊張に強張っている。
雅美はそれに一種の母性を感じた。
ブラジャーが腕からスルリと落ちて、それをTシャツの横に置いた。
信吾はあらわになった雅美の乳房を真剣な表情でじっと見ている。
それがおかしくって、雅美は思わず笑ってしまった。
「な、何さ」
「いや、信吾がすごい真剣に見てるからさ」
信吾はそう言われて、子供の様に顔を赤らめた。
何その顔、めちゃくちゃ可愛いじゃん!
雅美は信吾に久し振りで悪戯をしてみたくなった。
雅美は手を伸ばして、信吾の股間を触った。
「ちょっと、姉ちゃん!」
「固くなってるじゃん」
「いや、そりゃぁ…」
信吾は上目遣いをして雅美の乳房を見た。