ペニスが挿入されたままで、別の部位への刺激でまた絶頂する。
もう映画の内容も、音声さえも耳に入ってこなかった。
繰り返される甘い責めに夢中になって身体を震わせ、
耐えきれない快感に身悶える。
再び始まった腰のバウンドに、かすみの目の前は真っ白だった。
とんっと突き上げられる度に、軽く絶頂する。
乳首を引っ張られては背筋がわななき、
クリトリスを刺激されては甘い快感に脳がしびれた。
「もっまたっ、またイクっ、またっ、イッてるぅうっ……!」
喜一の膝の上で、何度も揺さぶられて快感の涙を流す。
狂ってしまいそうなほどの快感に攻め立てられ、
二度目の映画が終わるまでそれは続けられた。
途中からは自分がイッているのかそうじゃないのかも、
よくわからなくなってしまった。
ただ気持ちが良くて、身体から力が抜け落ちて快楽に支配される。
とろとろになった肉壁はペニスでこすられる度に歓喜し、
怖くなってしまう程の快感だった。
「もう、喜一のばか!」
布団にくるまったまま、かすみがすねた声をあげる。
イキすぎた身体はへとへとで、
もうビーフシチューなんて作れそうもない。
「ばかばか!ビーフシチュー一緒に食べたかったのに!」
「ごめんって、かすみが可愛すぎて止まらなくなっちゃった」
「そっ、そんなこと言ったってだめ!」
喜一がベッドに腰を下ろすと、ベッドが小さくきしむ。
布団にくるまったままのかすみの頭あたりを喜一がそっと撫で、
布団の上からちゅ、と口づけた。
「でもかすみも、気持ちよかったでしょ?」
「うう、ばかばかばか!喜一のばかっ」
図星だからこそ、それ以外に言えることがない。
そんなかすみの態度に、喜一はくすくすと笑った。
「ね、俺がビーフシチュー作るからさ、一緒に食べよう?」
「……作ってくれるの?」
「うん、かすみみたいに美味しくは作れないかもしれないけど」
だから機嫌直して、ね?
優しい喜一の声につられて、かすみがひょこりと布団から顔を出す。
「……じゃあ、許す」
「はは、良かった」
喜一の手がかすみの頭を撫で、台所へと去っていく。
しばらくすると、ビーフシチューのいい香りが漂い始めた。
たまにはこんな休日も悪くないかな、かすみはそんなことをこっそりと思った。