ラブラブ

はじめてのラブホテル

都会の煌びやかな灯りがまとわりつく。

私達は少しだけ場違いなんじゃないかと心配しつつ、今日の宿泊先を探していた。

それは1週間前のこと。

大学で付き合っている彼に、ラブホテルに行ってみないかと誘われたのだった。

付き合って1年半、行為自体は普通にあったけれど、お互いそういった場所に行ったことはなかった。

私自身、興味はあったし、その案に乗っかった。

そしてどうせなら泊まりで行こうと計画し、少しだけ都心部まで足を伸ばしたのだった。

日中の雰囲気とは全く別の顔を見せた夜。

私達は本当にこっちで良いのだろうかと少々不安になりつつも、ネオン街を抜けていった。

歩いていくうちに、いくつかのラブホテルが並びだした。

休憩、宿泊、サービスといった文字が飛び込んでくる。

「何処にする?」

「どうせなら、ちょっとオシャレなところにしたいな」

ここまで来ると私達の不安は薄れ、なんとなくドキドキした気持ちが湧いてきた。

建物の外観に室内の写真を飾っていたホテルを選び、中へ入っていく。

何も悪い事をしている訳ではないのだけれど、受付の時は少し緊張した。

部屋を選び、鍵を受け取り、エレベーターで目的の部屋へ向かう。

「わぁ……」

中は何処かのマンションの一室のように綺麗だった。

しかし、やはり目的が目的なだけあって、ベッド周りが鏡張りになっている。

まさか天井にまで鏡があるとは思わなかった。

雰囲気だけで選んだ部屋だが、目の当たりにすると恥ずかしさが顔を出す。

「……風呂、先に入りなよ」

「う、うん」

一応、脱衣所らしきスペースはあったが、少し心許ない。

ホテルにあったガウンやタオルを用意して、ささっと服を脱いだ。

1 2 3 4 5
RELATED NOVEL

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。