――次、クラスで一番取れたら、続き……させてくれない?先生……
あの日、拓海は恥ずかしそうに視線をそらしながら、かすみにそう言った。
先生と生徒なのに、とか、年齢差とか、そんなことが頭をよぎったが、気付けばかすみは頷いてしまっていた。
疼く身体が、あれより先を求めてしまっていたのだ。
「俺がんばるね、先生」
嬉しそうにはにかんだ拓海は、その言葉通り、今までよりさらに真剣に勉強に励むようになった。
元々成績が悪いわけではない拓海の成績はぐんぐん上がり、テストの前にはかすみが教えられることなんてほとんどないような状態になっていた。
そして、テストの結果が戻ってきた日――かすみは、緊張しながらも拓海の部屋へと足を踏み入れた。
普段はすぐにかすみに話しかけてくる拓海が、今日は机に座ってじっとしている。
その後ろ姿は、落ち込んでいるようにも見えた。
「……拓海、くん?」
普段と違う雰囲気に、心臓がドキドキとうるさくなる。
テストが悪かったのだろうか、慰めた方がいいのか――どうすればいいかもわからず、しかしかすみはそっと拓海に近づいた。
こちらを振り向かない拓海の肩に、そっと手をのせ――その瞬間、身体が宙に浮いた。
「えっ」
何が起こっているのかわからないままに、次の瞬間には柔らかい場所にそっと降ろされる。
そこがベッドの上だと気付いた時には、既に拓海の身体が上からのしかかるようにして組み敷かれていた。
すぐ目の前に、拓海の顔。
手首をつかまれ、ベッドの上で身動きも出来ない。
「た、くみくん?」
「先生、おれ――」
………
………
………
一位、とれたよ。
耳元でそう
「お祝いして、先生――」
拓海の顔が、近づいてくる。