涙が出たよ。
きっとあの人のことだから、気を遣わせたくなかったのだろう。
分かりやすいな。
「いってくる」
「うん」
あたしは彼に向かって歩いて行った。
涙をこらえた表情であたしは夢久さんの前に立った。
「!」
「……夢久さん。来ましたよ」
「なんだ…バレたか」
「痩せましたね。ごはんは?」
「今は食べれないから点滴になってね………」
「っ………あたしは邪魔ですか?」
涙が溢れる。
「あたし、そばで支えたいんです。だめですか?」
溢れてあふれて、ぽた、ぽた、と垂れる。
「いいえ、ダメって言われてもあたしはここにいます。
夢久さんのところにいます」
そう言って抱きしめた。
穏やかにあたしの背中に手を回して、抱きしめ返してくれた。
「そうだね。……萌恵がそばにいないと、だね」
分かってくれた。
嬉しい!
………
………
………
その日の夜は、夢久さんの協力のおかげで、こっそりお泊りすることに。
夜の盛りは相変わらずな夢久さんで。
内緒で病室の鍵を閉めて、キスを交わす。
「ん、ぅふ……ん」
ちゅ、ちゅ、と何度も、何度も。
この人本当にガンなの?
って疑いたくなるくらい。
ペニスもビンビンに勃起していて元気だった。
「萌恵……上に乗って?」
「うん」
横になる夢久さんの上にあたしはまたがる。
そのまま膣とペニスの位置を確かめながら、挿入しながら腰を下ろす。
深く深く、奥に奥に入れる。
お互いに呼吸が乱れた。
「萌恵の好きなように」
「ぁ、ずるい。じゃぁ…………いくよ?」
「うん」
「後悔しない?」
「いいよ」