不倫・禁断の恋

忍び愛

私、澤村真菜さわむらまなは21歳の主婦。

夫のみつるみつるは私よりも10歳年上。仕事熱心で真面目が取り柄の男、ということだったけど実際は女好きで、しょっちゅう浮気を繰り返してる。

何でこんな男と結婚したかと言えば、今どき時代錯誤もいいとこの政略結婚。

みつるの親がやってる会社を維持していくために、私の親の会社との関係がとても大切らしい。

あと、私が相続するだろうお金。

みつるはとても演技と隠し事がうまくて、浮いた噂1つなし。

私自身も結婚するまで、みつるがどんな奴かなんて知らなかった。

ただ、時期社長になることが決まってる私の姉はみつるを胡散臭いと思ってたようだ。

姉は最後まで私とみつるとの結婚に反対だったけど、両親はみつるを良い青年と思ってるから私の結婚相手に大賛成だった。

私自身はみつるとの結婚は嫌。まだ若いし、大学も行きたかったし、もっと遊びたかった。

それに好きな人だっている。

なのに、両親は「娘の幸せ」に目が眩んで、私を無理矢理結婚させた。

両親は私を可愛がってくれてたけど、子供の事に関しては思い込みが激しくて、変な虫がつくより早めに結婚させて安楽に過ごさせたいと思ったようだ。

姉からは結婚前に「5年だけ我慢して」と言われた。

姉に言われたから我慢して、嫌いな男と結婚した。

それに、悪いことばかりでもないしね。

確かにみつるは浮気三昧のどうしようもなくてくだらない男だけど、金払いはいいし、ほとんど家にいないから私は好きに生活できる。

何より、私だって浮気してるし。

玄関のチャイムが鳴った。

お客を出迎えた私は、長い髪にシンプルなワンピースを着た人物を家に招き入れた。

「相変わらず旦那さん、帰らねえの?」

長い髪のカツラを取りながら、彼がそう言った。

「帰ってこなくていいよ。一応、良い妻を演じないといけないしめんどくさい」

私は笑いながら返した。

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