「――え、」
目の前に、白い布が見えた。
それはシャツのようで、スーツをまとったたくましそうな男性の下半身が視界に映っている。
ゆっくりと視線を上げると、そこには――
あの男性が立っていた。
さらに後ろにも人の気配がする。
先ほどの扉の閉まった音は、後ろの人間の仕業だろう。
「バレちゃってた、かな?」
女性の声だ。
落ち着いた、美奈子より少し年上のような声。
ひょこりと美奈子の視界に現れたのは、あの甘い声を出していた、女性の姿だった。
………
………
「昨日、見てたんでしょ?」
「え、あ、その……」
バレていた。
恥ずかしくて、逃げ出したくなる。
言葉が出てこないくらい、頭が真っ白になった美奈子に、女性はにこりとほほ笑んだ。
「ふふ、大丈夫だよ、せっかくだからあなたも――ね?」
美奈子がその言葉の意味を理解する前に、女性の手が伸びてくる――
美奈子のワイシャツの一番上のボタンが一つ、彼女の手によって外された。
呆然とする美奈子に向かってにこりとほほ笑み、彼女は一歩後ろに下がる。
壁に立てかけてあった折り畳み式の椅子に、彼女は腰かけた。
目の前にいた男性が、美奈子の残りのボタンを一つずつ外していく。
(あ、これって――)
このままだと何が起こるのか、脳がゆっくりと理解し始める。
この場を去った方がいい、逃げようと思えば逃げれるだろう雰囲気に、しかし美奈子は動けなかった。
身体が異常に火照って、下腹部が激しく疼いているのを感じていた。
自分でも驚くほど、美奈子は今この状態に興奮していたのだ。
美奈子が逃げないことを答えだととったのか、男性の手がはだけたシャツを開いてブラジャーごしに胸へと触れてくる。
名前も良く知らない男性に、胸をもまれながら、美奈子は
「ああ……」
と小さく吐息をもらした。
男性の両手が、美奈子の柔らかな胸を円を描くように動く。
柔らかさをしばらく堪能した後、ブラジャーが上にずらされた。
乳首が見えるくらいの位置まで上げられると、ピンと立ち上がり赤くなった乳首が
それを見た男性が、くすりと笑う。
「かたくなってる」
言葉で指摘され、それを確かめるかのように男性の指が乳首をつまみ上げた。
途端、甘い電流がぴりっと流れてくる。
「ああんっ……」
両方の乳首をきゅっと刺激されて、美奈子は甘く鳴いた。