まるで女性の身体を知り尽くしているようなゴットハンドぶりにうっとりしてしまう。
ただのマッサージでこんなに夢見心地にしてくれる腕前。
この人なら、もしかしてセックスでイかせてくれるかもしれない。
期待を膨らませながらバスローブを脱ぐ。
ちらりと月島さんに視線をやると、さりげなく視線を外してくれて、なんだかその紳士な所作にキュンとしてしまった。
全裸の状態でベットにうつ伏せになると、お尻にタオルをかけられた。
「では、背中から失礼します」
とろ、と。身体全体にまぶすように広げられるオイル。
「ひゃっ……!」
「ふふっ、くすぐったい?」
背中全体に行き渡るように優しく伸ばされるオイル。
月島さんの掌の温度がさらに上がったように感じる。
「大丈夫。どんどん気持ち良くなりますからね」
バラの香りのオイルが追加される。
太腿や脹脛……首筋や手首。
おおよそ性感帯とは無縁な場所まで、オイルをじっくりと塗り込まれ、時にはぐりぐりと指圧される。
「ふぁ……すごく気持ちいい……」
こんな贅沢はじめてて、蕩けてしまいそう。
やがて、指圧から再び掌で身体を撫でられる。
今度はオイルを伸ばすというよりも、指をばらけさせてやわやわと揉んでいるみたいで……
この大きな掌で恥ずかしいところを暴かれたらと思うと、身体の奥がじゅんっと疼いた。
………
………
(うぅ……直接触られていないのに、身体の奥が疼く……)
どちらかというと無骨で男臭い雰囲気の月島さん。
でも、その繊細な指先はテクニックも兼ね備えていて……最高の非日常に足先までぽかぽかと幸福感が揺蕩う。
「ではリンパの流れを促しますね」
ぐぐーっと掌全体で背中を押され、張り詰めた筋肉が解される。
「はぁ……! すごい、伸びてる感じする……! いたたた」
「だいぶおつかれの様子でしたから……。ではそろそろ、こちらも失礼しますね」
月島さんはお尻のタオルを剥がしてしまう。
「きゃっ……!」
「こちらにもたっぷりオイルを塗り込みます。このオイルはリラックス効果の他、発汗と気持ち良くなる成分が含まれていますので……
どんなに恥ずかしいことになっても、全部オイルのせいにしていいんですよ」
月島さんは大きな掌で、先ほどの優しく柔らかく手つきとは違い、もにゅもにゅと形が変わるほど力強くお尻を揉んできた。
「んっ! あぁ……」
明らかにマッサージ以外の意味合いを含んだいやらしい手つき。
お尻を可愛がるようにくるくると撫で回したり、形を楽しむように輪郭をなぞったり。
きゅっきゅっと啄むようにつねられると、いたずらされている気分になる。
「可愛いお尻ですね……いっぱい触れば触るほど、可愛く反応してくれるから夢中になる……」
「そんな……」
旦那はそんなこと一度も言ってくれなかった。
それどころか……私のことなんて、ただの穴に突っ込める家政婦だと思っている。
「そういえば……愛されている奥さんって老けないらしいんですよ」
だから私や……幸穂なんかは特に、老け込むのが早いんでしょうね、なんて口にしそうになった時。